『万人斬り』の刑務官【ナンバカ】season:12 (ページ2)

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147-2 あいつもこいつもガチバトルページ2

ニナの背後に回り込んでいたヒナが、その腹めがけて一直線に拳で穿つ。
その衝撃に耐え切れず、ニナの体は吹っ飛んだ。そしてその先にはーー「哀」のくす玉が。

ドパァァン！

あー、これで一舎も通過か。
いや、別に悔しいとか何ともない。だってザクロを馬鹿にした仇をとってくれたわけだからね。個人的にはスカッとしたし満足。

えーと？あと残ってるのは二つのくす玉か。
で、通過出来てない舎は、四舎と六舎、十三舎。あれっ？まだ通過してなかったのうちら？

チラッと様子を見てみると、伯爵とジューゴが全力疾走(笑)でヘビー形態の「無」から逃げていた。
ちなみに速度はお察しの通り。私が全力で走った方が圧倒的に速い。
思ってる以上の雑魚っぷりでニッコリです。私は楽しい。

「ムサシぃいいいいいいいい！！そこどけえええええええええええ！！」

あら。下の階層にいたムサシまで巻き込んだ。
一緒に逃げてるけど明らかにムサシの方が足速いです。うはははは！！超笑える！

「てめぇジューゴ余計なもん連れてくんな！」
「俺のせいじゃねぇ！」
「そこの盲目の男、貴様の炎とやらで何とかしろ」
「この状況でできるか、お前らごと燃やしていいならやってやるよ」
「「ふざけんな！」」

何してんだあいつら。
階段を爆速で降りる3人の元に、四舎の看守代表で出場していた仁志さんが階段を登ってきていた。

しかし、くす玉から逃げるのに必死な3人は、仁志さんが危険に晒されていることに気付けないままに通り過ぎる。
次の瞬間、ドグメシャァ、と人からは発されないような衝撃音が響いた。

「しまった！仁志さん、大丈…」
「もぉー、何で無視するの。ここまでくるの大変だったんだからね」
「…ぶ」

ぷんすこ怒る仁志さんが、その身体で「無」を堰き止めている。

……もう一応確認しよう。「無」は、くす玉の中で「重い」という性質を持っている。
見た感じ、私があれに真正面から立ち向かうのはまず無理。逃げるか斬って無力化するかに限る。

そんな転がっていた「無」くす玉を、仁志さんは身体で止めた。全く動く気配がない。
もう流石としか言いようがないです。思わず拍手をしてしまう程に。

すると、「無」は仁志さんとぶつかった衝撃で気を失い(人工知能って気を失うとかあるの？)、真っ逆さまに落ちていった。

ま、まさか…。

ドパァァン！

『ななななーんと、「無」っちゃんが破裂ぅう！「教育の四舎」勝ち抜けだぁあああ！』