【ヒロアカ】おひさまになるために (ページ47)

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僕だけが知るピンチ【緑谷side】ページ47

一発一発を全部…100%以上の力で撃ってるんだ！！

「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの！」

圧倒的な気迫にただただ圧される。

「敵(ヴィラン)よ、こんな言葉を知ってるか！！？」

ーーPlus Ultra(更に向こうへ)！！

深い一発が鳩尾に入り、脳無をぶっ飛ばす。施設の天井も破壊して脳無は吹っ飛んでいった。

「……漫画(コミック)かよ。ショック吸収をないこと(・・・・)にしちまった。…究極の脳筋だぜ」

呆れたような切島くんの声が耳に入る。
とんでもない力だ。再生も間に合わないくらいのラッシュを、オールマイトは一気にぶち込んだんだ…！

「やはり衰えた。全盛期なら5発も撃てば充分だったろうに。300発以上も撃ってしまった。…さてと、敵(ヴィラン)。お互い早めに決着つけたいね」
「チートが…！」

憎々しげに、死柄木が呟く。

「衰えた？嘘だろ…完全に気圧されたよ。よくも俺の脳無を…チートがぁ…！全っ然弱ってないじゃないか！！あいつ(・・・)…俺に嘘教えたのか！？」
「…………どうした？来ないのかな！？クリアとかなんとか言ってたが…できるものならしてみろよ！！」

ぞくっと寒気が走る。これが…これが、プロヒーロー…！
だけど…オールマイトはもう…！

「流石だ…俺達の出る幕じゃねえみたいだな…」
「緑谷！ここは退いた方がいいぜ、もう。却って人質とかにされたらやべェし…」

違う…あれは…虚勢だ…！！
土埃に紛れてるけど…変身する時の蒸気みたいなものが出てる！！
マズイ…このままじゃオールマイトが…！

(マズイぞ…於野少女が纏わせてくれた“神威(カムイ)”のおかげでなんとか立っていられるが…これ以上戦うのは無理だ…！脳無とやらが強すぎた！)

「くそ…くそくそくそくそ…！！脳無さえいれば！！奴なら！！何も感じず立ち向かえるのに………！」
「死柄木弔…落ち着いて下さい。確かに今の我々にオールマイトを倒すのは難しいでしょう…ですが、当初のもう一つの目的(・・・・・・・)の方はまだ、達成し得る…何より、今が絶好の機会かと…」

「……うん…うんうん…そうだな…そうだよ…そうだ…今なら無駄な抵抗もさせずに連れ戻すことができる…A…」

於野、さん…！？マズイッ！！！

死柄木が、モヤの中に手を入れる。
僕らから離れた所に避難させていた於野さんまで、あっという間に死柄木の手が届いてしまった。

「ッ！！於野少女…！」