プロの本気【緑谷side】 ページ46
かっちゃんに胸倉を掴まれたまま、於野さんがかくんと崩れ落ちて動かなくなる。
気を失う前、於野さんは優しい微笑を浮かべてこう言った。
『無事で……良かった』
気絶した於野さんを轟くんが抱きとめて、ゆっくりと地面に寝かせる。
それから轟くんと切島くんはすぐに
かっちゃんは性格上、誰かに守られるのを嫌う。
だからさっきの於野さんの言葉は…絶対に嫌だったはず。
キレたかっちゃんが、気を失って抵抗もできない於野さんに対して殴ったり…は……しそうな気がしないことはない。もしかしたらしないかもしれないけど、しそうで怖い。
でも。
「…………チッ」
眠った於野さんを黙って眺めていたかっちゃんは、舌打ちして身を翻した。
……あ…
「何こっち見てんだデクてめェ殺すぞ」
「あっ…ご、ごめんっ！！」
ギロッと睨まれ思わず立ち竦み、僕も
「3対5だ」
「モヤの弱点はかっちゃんが暴いた…！！」
「とんでもねえ奴らだが、俺らでオールマイトのサポートすりゃ…撃退できる！！」
「ダメだ！！！逃げなさい」
戦おうーーそう決意したところを、オールマイトに止められた。
「………さっきのは俺がサポート入らなけりゃやばかったでしょう」
「オールマイト、血……それに時間だってないはずじゃ…あ…」
「それはそれだ轟少年！！ありがとな！！しかし大丈夫！！プロの本気を見ていなさい！！」
また言っちゃった…僕って案外口軽いのかな…
「脳無、黒霧、やれ。俺は子供をあしらってAを取り戻す。クリアして帰ろう！」
僕達の方にも、死柄木が襲いかかってくる。来る…！！
僕らで…僕らの力で、於野さんを守るんだ！！
身構えたその時だった。
すぐ近く、オールマイトから放たれた気迫に、死柄木も僕達も気圧された。
オールマイトと脳無の拳がぶつかり合う。死柄木も僕らから一旦距離をとった。
「“ショック吸収”って…さっき自分で言ってたじゃんか」
「そうだな！」
その瞬間、とんでもない撃ち合い。真っ正面からの殴り合いが始まった。
その衝撃で風が起こり、二人に近付けない。
「“無効”でなく“吸収”ならば！！限度があるんじゃないか！？私対策！？私の100%を耐えるなら！！さらに上からねじふせよう！！」
血を吐きながらも、全力で脳無に撃ち込む。
でも、それは滅茶苦茶に打ってるんじゃない…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミサ | 作成日時：2018年9月1日 12時
