お昼の騒動 ページ24
「於野。一緒に食わねえか」
お昼休み。お弁当を机に出すと、轟くんがお昼に誘ってくれた。勿論それを快諾する。
轟くんはお弁当を持ってきてないらしく、食堂で食べることに。
この時間帯になると人が大勢いる。ここの食堂は安くて美味しいから、みんなここで食べるんだって。
ボクの場合は最小限のお金で作るため、毎日お弁当だ。バリエーションを増やしてとにかく飽きないように、毎日おかずは変えてる。
消太さんは特に「美味かった」としか言ってくれないから、正直不安なんだよね…
ま、でもたまにはここで食べてみるのもいいかな。また消太さんに訊いてみよっと。
「待たせたな」
「ううん」
轟くんがおぼんを持ってきて、ボクの前の席に座る。
「いただきます」と両手を合わせてから箸をつけた。
今日は鮭と大葉のおにぎりと、唐揚げとほうれん草の胡麻和え。今度はサンドイッチにしようかな、とか色々考えてる。
「轟くん、それお蕎麦？」
「ああ」
「へえ〜、美味しそうだねぇ」
「於野は弁当か」
「うん！」
「…唐揚げ美味そうだな」
「あ、じゃあ食べてみて！一個どうぞ」
「おう、サンキュ」
容器を轟くんに差し出して、彼の箸が唐揚げを一個摘む。
うーん、ここ最近は消太さんにしか食べてもらってないから、味がちょっと心配だけど…
「……すげぇ美味えな」
「ホント！？」
「ああ。於野って料理上手いんだな。なんか意外だ」
「意外！？」
「於野って妹みてえだから、あんまそういうの得意じゃないと思ってた」
何気にザックリくるなぁ、轟くん…
結構思った事ズバズバ言っちゃうタイプなのかな。多分そうだな。
「轟くんは妹さんいるの？」
「いや、いねえよ。末っ子だからな」
「そうなの？ボクのこと妹扱いするから、てっきりそうなのかなって…」
「年下がいねえからな。…なんかちょっと楽しくなるんだ」
…何が？何が楽しくなるの？何で轟くんはそんなにワクワクしてるの？
訊きたかったけどその回答が予測できなくて、お茶を濁すだけだった。
その時。
ウウーーーー！！
へ！？な、何！？警報！？
『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難して下さい』
セキュリティが突破されたって…何？何が起こってるの！？
混乱する間もなく、食堂にいた人が大挙して押し寄せてきた。
「わわっ、わ…っきゃあ！」
急に腕を掴まれて、強く引っ張られる。
背中に壁がついた所で目を開けると。
「大丈夫か？」
「と…轟くん…！？」
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作者名：ミサ | 作成日時：2018年9月1日 12時
