“おひさま” ページ21
響香ちゃんの気まずそうな声音がボクの心に刺さる。そうなんだ。そうなんだよ。だけど…
「…その時ね、ボクは“おひさま”に出会ったんだ」
「？」
「真っ暗で何も見えない所から…ボクを助けてくれた」
その時の事は今でも忘れられない。
ボクを覆っていた闇を払って、手を差し伸べてくれた。
その手がとても温かくて…涙したのを覚えている。
「だから、ああなりたいと思った！誰かの心を照らせる…“おひさま”みたいなヒーローになりたいって！だからボクは
「そうやったんや…」
「“おひさま”…Aちゃんにピッタリなヒーロー像ね」
「ウム、確かに！於野君のリラクゼーション効果を以ってすればまさに太陽のようなヒーローに成り得るだろう！」
「ふふ…ありがとう！梅雨ちゃん、飯田くん！とっても嬉しい！」
((((((い…癒される…！！))))))
「…？アレ？みんなどうしたの？蹲って…」
「「「「「「…ナンデモナイデス」」」」」」
それからしばらく、クラスのみんなと談笑してから、相澤先生と一緒に帰った。
みんなのことがいっぱい知れて、とっても楽しかったなぁ！
＊＊＊＊＊＊＊＊
翌日。消太さんにお弁当を渡して、一緒に学校へ向かう。
ボクの登校時間は消太さんに合わせてかなり早めになってる。
そもそも何で登下校が一緒かっていうと、
因みに初日は消太さんと別れて帰っても行き帰りできるように一人だった。
でも、ボクはこうして消太さんと一緒に学校に行けることがすごく嬉しかったりする。
だって途中まで手繋いでくれるもん！因みに登下校以外のお出かけの時は絶対に繋いでくれません！ヒドイ！
下駄箱前で消太さんと別れてから、教室へ向かう。そこには勿論誰もいなくて、一人静かに鞄を机に置いた。
…やっぱりちょっと寂しいな。でも気にしない！みんなすぐに来るもん！
中学生向けの英語のワークを出して、付箋を貼った所を開く。
読み書き計算は一応マスターしてるけど、それ以外はからっきし。ちょっとでもみんなに追いつけるように、頑張らなきゃ。
買ってもらったノートを開けて、問題の答えを書き込んでいく。
ガラッ。
「お」
「ん？」
教室の扉が開いて、そこには紅白の髪の男の子が立っていた。
あ、えっと…誰、だっけ。見たことあるんだけど名前覚えてないや…
どうしよう…凄く気まずい！！
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作者名：ミサ | 作成日時：2018年9月1日 12時
