15-1 灼熱の想い ページ50
「生まれ持ったこの『人体発火』のせいで俺がどれだけ苦しんだと思う？『異常』と言われ続ける人生をどう思う？苦しみ悩み続けた俺の前に、あの傷の男は現れた。そして、奴は俺の『人体発火』を利用して、『異常者』から本物のバケモノにしやがったんだ」
『利用…！？まさか…そんな事…』
「出来ないと思うか？現にお前のその『枷』も今の科学じゃ証明出来ない未知のものじゃないのか？つまり奴の持つ『技術』は他より卓越しすぎてるんだ。人間の身体を改造することだって出来なくはないだろ？」
そこから語られたのは、634番の半生だった。
私が知る由もなかった、私達が使った人間のお話だった。
ドイツの一般家庭で育った、他より少し体温の高い子供。
だがその体質は、現代医学では証明出来ない、珍しいものだった。
温かいそれは成長するにつれて『熱』となり、自分自身を燃やし始めたのだ。
人より少し変わっただけの彼は『異常者』と呼ばれ、人々は彼を避けた。身に覚えのない放火犯の濡れ衣を着せられた。
だけど、自分自身の身体のことについて、自分自身もわからないままじゃ、「大丈夫」だなんて言っても、何の根拠も無かった。
それでも…愛してくれる人がいたから、まだ良かった。
それが、火事で焼けて失くなるまでは。
大学で見たとある学生によって、彼は放火魔扱いされ、無実の罪で投獄された。
彼の苦しむ声は、助けを求める手は、誰にも気付かれなかった。
もう何もかも諦めたその時、彼に手を差し伸べた者がいた。
「君のその人体発火の身体、私がなおしてあげよう」
それが『傷の男』だ。
身体をなおす。絶望の淵に立たされた彼にとって、それはまさに救いの言葉だったのだろう。
だがそいつは634番の人体発火をコントロール出来るよう『直した』だけ。
彼が本当に求めていた、人体発火を『治す』ことはしなかったのだ。
彼らは元から634番を狙っていて、彼を『検体』として利用するために犯罪者に仕立て上げた。
これには634番を放火魔呼ばわりした青年ーー実際は『傷の男』の部下「エルフ」だったわけだがーーも関わっていた。
そして連中は634番を施設ごと捨て、彼の右目を切り消えていった…。
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匿名00 - あ、それと…その作品なんですけど…私…何故か2回にわたって通報しているんですよねぇ…ということは多分公式様が対処してくれなかったということで私は捉えております… (2021年8月24日 3時) (
レス) id: fdedef56f4 (このIDを非表示/違反報告)
匿名00 - はい！これからも作品投稿頑張ってください！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: fdedef56f4 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 匿名00さん» ありがとうございます！教えて頂かなければおそらくずっと知らないままだったと思います。私は今まで一度も無断転載をされたことがなかったので、これからは無断転載禁止の旨を書くなど、対策をしていきたいと思います。本当にありがとうございました。 (2021年8月23日 22時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名00 - 通報しておきました！これで公式様がどう対処するか… (2021年8月23日 17時) (レス) id: fdedef56f4 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 匿名00さん» ありがとうございます！URL確認しました。これ…おそらく無断転載かと…。プリ小説というアプリで投稿はしてませんし、このアカウントの方も知りません。表示があった＝多分まだ読める状態だと思うのですが…。 (2021年8月23日 17時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2020年4月1日 17時
