『万人斬り』の刑務官【ナンバカ】

7-2 取りまくれ百人一首 ページ16

えっ、嘘。大丈夫なのお前？


「お前百人一首出来んのか？」
「出来ない！でも、カードを使う勝負なら負ける気がしないぜ！」
「オメーな、ポーカーとは全然ルール違うんだぞ。わかってんのか？」
「ヘーキヘーキ！もしかして志乃ちゃん、俺の事心配してくれてるの？」
「いや？全然？出るなら出ろ。もし負けたらキャメルクラッチしてやるから覚悟しとけよ」
「ヒドイ！！」


いや…泣きつかれても知らんし。つか触んな。

いいか、私に触れていいのは星太郎さんただ一人なんだよ。この操はあの人だけのものなんだよ。


「じゃあもう一人は？」
「要らねーよ、俺と星太郎の二人で！」
「え！？良いんですか？」
「だってコイツらに出来るとは思えねーもん」
「それな」
「「うるせぇ！！」」


おっ、初めて私とウノの意見が合ったな。珍しい事もあるもんだ。

で？相手はカマドリと囚人番号3番と82番か。
たしか通称はトロワとハニーだったっけ？名前わかりやすっ。

あー、確か三舎って綺麗な面の奴ばっか集めてんだっけ？
興味ねーな。顔面潰しゃみんな同じだろ。皆等しくブサイクです。

つかウノの奴目つき悪っ。
あっ、イケメン嫌いなんだっけ？顔じゃ勝てねえから。星太郎さんの事も嫌いだもんね。

私の目の黒いうちは何があっても星太郎さんは私が守るから安心していいですよ！星太郎さん！


『ではいきます。奥山に…』

パァン！


…速っ。めっちゃ札取るじゃん。

流石星太郎さん。スゴイ！カワイイ！！


「うむ！流石星太郎君だ！素晴らしい！」
「ああ、あいつは問題ねぇ。問題は…アイツだ」


うーん、まぁそうなるよね。

ウノは百人一首知ってるわけじゃないし。
アレって歌全部知ってないと始まらない、みたいな所もあるから…。

ウノは始めからまともに勝負する気ないだろうし…じゃないとギャンブラーじゃないよね。私は奴らのそういうとこ好きだけど。


「どうやら囚人側はアタシ達の勝ちみたいね。このままだと引き分けで失格よん」
「負けてもうるせぇな、このオカマ」
「星太郎さんにボロ負けしたくせに…減らず口ってこの事を言うんですね、主任」
「そうだ、覚えとけ。お前はあんな醜い大人になるなよ」
「はーい」
「お黙りなさい！！」


…主任、私に口直せとか言うくせに、アンタも結構楽しんでますよね？
私に便乗してキジさんイジるのに使ってますよね？
いや、予想以上の相乗効果を発揮してて、私も楽しいからいいんですけど。

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