1-1 舞い戻ってきた元殺し屋 ページ2
ここは
そこのトップである看守長の部屋に、一人の男が呼び出されていた。
「ーー十三舎主任看守部長、双六一」
肩書き及び名を呼ばれた背の高い男ーー双六一は、目の前に座る女性からの圧に慄いていた。
今日みたいな日が無かったかといえばそれはNOだ。
この鬼のような女性に逆える者は、この南波刑務所にはいない。何故なら彼女は、この刑務所の全てを司る看守長なのだから。
看守長・百式百子は、目の前の直立不動の姿勢を保つ男に対し、内心胸をときめかせていた。
密かに想いを寄せる相手が目の前にいる。恋する乙女にとって何よりも素晴らしい時間だ。
だが、それを悟らせない強張った表情筋が、その相手に威圧感だけを与えていた。
ーーとここまで語ったが、問題となる今回の話には、全く関係のない事である。
「今日、君を呼び出したのは他でもない。実は本日から、十三舎に新たな看守がつくことになった」
新たな看守、それはつまり新人。こんな時期に何故新人が？
疑問を口にする前に、看守長が「入れ」と促す。
ドアが開いたと同時に入ってきたのは、小さな少女だった。
見覚えのある白銀の髪に、双六の口元が引き攣る。
黒い制服を身に纏う少女は、最後に見た時より少し背が高くなっていた。
元々成長期の子供だ、そんなことは普通にある。
ピシッと背筋を伸ばして堂々と歩く彼女は、双六の知る少女とは別人のようだった。
「紹介しよう。彼女が新人看守の、吉田志乃だ」
少女ーー吉田志乃は、双六と目をあわせると、ニタリと唇の端を歪ませ、人の悪い笑みを見せる。
…ああ。コイツは何一つ変わっていない。目を閉じ、今すぐに現実逃避をしたい気分だった。
「どうも、お久しぶり。ーーいや、ここは“初めまして”と言った方がいいのかな？」
「…………………………」
一転して、ニコニコと人当たりの良さそうな笑顔を浮かべる。
しかし、双六の表情は全く変わらない。面倒な女が来た、というような顔のままである。むしろ若干殺意が混じっているような、そんな顔色だった。
「十三舎付属は彼女の強い希望でな。昔入っていた舎房を担当するのもまた面白いものだろう。彼女の教育については君に一任する。任せたぞ」
看守長のこの言葉は、双六を絶望のどん底へ叩き落とした。
対照的に少女は、ただただ屈託のない笑顔を浮かべていたのだった。
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匿名00 - あ、それと…その作品なんですけど…私…何故か2回にわたって通報しているんですよねぇ…ということは多分公式様が対処してくれなかったということで私は捉えております… (2021年8月24日 3時) (
レス) id: fdedef56f4 (このIDを非表示/違反報告)
匿名00 - はい！これからも作品投稿頑張ってください！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: fdedef56f4 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 匿名00さん» ありがとうございます！教えて頂かなければおそらくずっと知らないままだったと思います。私は今まで一度も無断転載をされたことがなかったので、これからは無断転載禁止の旨を書くなど、対策をしていきたいと思います。本当にありがとうございました。 (2021年8月23日 22時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名00 - 通報しておきました！これで公式様がどう対処するか… (2021年8月23日 17時) (レス) id: fdedef56f4 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 匿名00さん» ありがとうございます！URL確認しました。これ…おそらく無断転載かと…。プリ小説というアプリで投稿はしてませんし、このアカウントの方も知りません。表示があった＝多分まだ読める状態だと思うのですが…。 (2021年8月23日 17時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2020年4月1日 17時
