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○ブハッ、と彼女の後ろでゾムが盛大に吹き出す。そのままツボに入ったのか、腹を抱えながら彼は個性的な笑い声を絶えず口から吐き続けた。その様子にトントンは気に食わなさそうに睨み付け、Aに至っては笑い転げる彼の心理を理解出来ず、怪訝な眼差しを向けるしかなかった。
「んんっ……まあ、覚えててくれてただけでもええわ。改めて、な。俺はトントン言います。ここでは一応相談役をやらせてもろてます。よろしくな、Aさん」
改めて背筋を伸ばすと明らかにゾムよりも身長が高いことに気付き、Aはその大きさに感嘆な声を内心で漏らしていた。丁寧かつ相手に敬意を見せるその態度はまさに好青年と言うに相応しく、それに未だに慣れていないAは戸惑いを隠せなかった。
だがそれを悟られないよう必死に繕いながら、よろしくお願いします、と恭しく頭を下げた。
「あの時めっちゃ泣いてはったから、大丈夫か？ と思って心配しとったんです」
あ、そう言えば。彼の言葉に思い出された己の醜態にAは少し恥ずかしくなった。あの時は見も知らぬ少女にいきなり大泣きされて、彼もきっと動揺したに違いない。
途端に彼の目を見られなくなったAはご迷惑をお掛けしました、と再び頭を下げることになった。その様子にトントンがわたわたと慌て始める。
「迷惑やなんて、そんな。君の事情はゾムから聞いてたんで。せやから、ここでは君の好きなように暮らして欲しいんや」
まあ一応安全ではあるが、職業柄どうしてもそれを百パーセントにすることは叶わないのだが。苦笑いを含めながらトントンが人の良さそうな笑みを見せるとAはまた目を丸くした。何故此処の人達はこんなにも優しいのだろうか。
同じ世界に住んでいるはずなのに、何だこの雲泥の差は。彼女の頭の中では軽くバグが発生しそうになった。
それじゃあまた。伝えたいことを全て伝え終えたトントンは最後に彼女を見下ろしながらふっと目を細めると来た道を引き返す。その後ろ姿が部屋の中に消えるまで、Aは静かに見送った。
沈黙が流れる中、なかなか動き出さない彼女にゾムは首を傾げる。一体どうしたのか、声を掛けようと口を開きかけた瞬間、お兄さん、と先に声を発した彼女に制された。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 。さん» 。さん、こちらの作品を読んで下さり誠にありがとうございます！続編はあります。リンクが連携されていない理由と検索方法はコメント欄にあります(このすぐ下です)お手数をお掛けして申し訳ございませんが宜しくお願い致します。 (3月29日 20時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 作品が好きで見させてもらっています。作品一覧に3が無いのですが、削除されてしまっていますか？ (3月29日 4時) (レス) id: fadf2e6ab2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - から入って探して頂ければと思います。申し訳ございません。ですがR18作品なので勿論18才未満の方の閲覧はご遠慮しております。もしそうでなければ、どうぞ続きをお楽しみ下さい！ (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - 青さん» 青さん、ご感想ありがとうございます✨こちらの続編ですがR18作品になっておりまして、占ツクの仕様上、健全物とR18はリンクを紐付けることが出来ないようになってまして…。なので続編はお手数ですが私の名前をクリックか、↑の「この作者の作品を全表示」と言う所 (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
青 - とても好きです。2の続編が見つけられず…どこから観れるか教えていただけませんか？ (12月2日 15時) (レス) id: 437b233046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年9月16日 15時
