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○ゾムは彼女が頷いてくれたことに目を細め、彼女の頭に手を伸ばす。安心させるように、慰めるように、その無骨で大きな掌で優しく撫でていく。
不意にその感覚にデジャブを覚える。ああそうだ、あの時大泣きした彼女にもこうしたのだ。少しでも彼女の苦しみが消えていくことを願いながら、彼女が落ち着くまで頭を撫でたのだった。
今はあの時程激しくはないが、彼女は一体何を思って泣いているのだろうか。
虐めの恐怖から解放されたから？ それとも、改めて自分には頼れる人物がいると知ったから？
願わくば、後者であって欲しい。
そんなことを思いながらゾムは声を噛み殺して、止めどなく溢れ出てくる涙を流す彼女の頭をしばらく撫で続けた。
あれから勿論、Aにはしばらくの休暇が言い渡された。
体がどんなに軽い仕事をこなせるくらいまで回復したとしても、痛みが完全に引くまでは絶対に仕事には出させない。
見舞いに来てそう告げた教育係の声はいつもより圧が強めだった。おまけにその顔も心なしか怒っているようにも見えた。
また迷惑を掛けた、人手が一人欠けてしまったことに罪悪感を覚えたAは彼女に謝罪をした。しゅんと落ち込むAに彼女は静かに口を開いた。
「私、悲しかったんです。何故、私に言ってくれなかったのかと。私は貴女の味方です。だから何かあったら、いつでも言ってください。力になりますから」
優しく諭す彼女の瞳があの時のゾムの瞳によく似ていた。彼女もまた自分の味方になってくれる人なのだとそう思った瞬間、申し訳なさと嬉しさで、ほろりと涙が零れた。
改めてAはもう独りではないことを再確認する。
此処ではもうあの頃のように、心を殺すことも我慢することもしなくていい。今は手を伸ばせば助けてくれる人達が確かにいるのだ。
思いがけずに得た人の温かさに、Aは長年凍らせて大きくしていった心の氷が着実に溶けていくような感覚を覚えたのだった。
✳︎✳︎✳︎
事件から数日後の夜。
今日も今日とてテレビ画面に向かって、趣味のゲームを嗜んでいたゾムの耳に扉のノック音が聞こえてくる。どうぞ、と画面から視線を外さずに返事をすれば、すぐに扉が開かれ、そこにはコネシマ達の姿があった。
先頭に立っているコネシマが「邪魔するでー」と相変わらずの明るい声を発しながら部屋の中に入ると、その後をぞろぞろと他のメンバーがついてくる。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 。さん» 。さん、こちらの作品を読んで下さり誠にありがとうございます！続編はあります。リンクが連携されていない理由と検索方法はコメント欄にあります(このすぐ下です)お手数をお掛けして申し訳ございませんが宜しくお願い致します。 (3月29日 20時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 作品が好きで見させてもらっています。作品一覧に3が無いのですが、削除されてしまっていますか？ (3月29日 4時) (レス) id: fadf2e6ab2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - から入って探して頂ければと思います。申し訳ございません。ですがR18作品なので勿論18才未満の方の閲覧はご遠慮しております。もしそうでなければ、どうぞ続きをお楽しみ下さい！ (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - 青さん» 青さん、ご感想ありがとうございます✨こちらの続編ですがR18作品になっておりまして、占ツクの仕様上、健全物とR18はリンクを紐付けることが出来ないようになってまして…。なので続編はお手数ですが私の名前をクリックか、↑の「この作者の作品を全表示」と言う所 (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
青 - とても好きです。2の続編が見つけられず…どこから観れるか教えていただけませんか？ (12月2日 15時) (レス) id: 437b233046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年9月16日 15時
