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○彼女が危ない。瞬時にそう悟った後の行動は素早く、報告を途中で投げ出してすぐさまロボロから聞いた情報を頼りにAの下へと向かったのだ。
自分の知らない所でそんなことが起こっていたとは。Aはゾムを始め、他の人達からも助けてもらっていることに何だか心が温かくなりくすぐったさを覚えた。
だが同時に罪悪感も拭えなかった。自分の所為でどれほど周りに迷惑をかけてきたか、どれほど心配させてしまったか。それを思うだけでAは胸が張り裂けそうな気持ちになった。
どれだけ自分が我慢しても、結局の所悪い方向にしか転ばなかったのだから。
「なあ、何でなん？」
眉を顰めながら天井を見ていた彼女の耳にその声が響く。静かに問い掛けているが何処か責めているようなその声色にAは違和感を覚えて、再びゾムと目を合わせる。
彼の目は苦しそうな悲しそうな、複雑な思いが混ざり合った色を孕んでいた。
「何で言ってくれへんかったん？ 気付かんかった俺もあかんけど、言うてくれたら、お前にこんな思いさせへんかったのに」
「…………」
ああ、結局全部無駄だったのだ。私がしてきたことは、全部裏目に出て。結局皆に助けられてしまった。
Aは黙って彼を見つめた後、逃げるように視線を逸らした。
相変わらず暖かな陽光が差し込む窓からは彼女の心とは反対の清々しい青空が見えている。それを少し恨めしそうに睨み付けたAは意を決して、今まで隠していた己の胸中を初めて口にする。
「……迷惑を掛けたくなくて、面倒事を起こす奴はいらないって言われて追い出されたくなくて」
そして、何より——。
「お兄さんに、嫌われたくなかった、から……」
小さく零した最後の言葉が静寂に溶けていく。
再び訪れた沈黙。
視線を合わそうとしない彼女の横顔をゾムはじっと見ている。
Aは彼がどう反応を示すのか、恐怖を抱きながら布団の下で拳を握り締めた。
そして、ようやく彼が口を開く。
「——嫌うわけ、ないやろ」
静かに、諭すように低く。だが微かに怒気を含ませて。
「お前を迷惑やって思ったこと一度もあらへんし、俺がお前のこと追い出すわけないやろ」
まだ共に居た時間は短いけれど、確実にその絆は強く深くなっていると思っていた。
いや、思っていたのは自分だけなのか。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 。さん» 。さん、こちらの作品を読んで下さり誠にありがとうございます！続編はあります。リンクが連携されていない理由と検索方法はコメント欄にあります(このすぐ下です)お手数をお掛けして申し訳ございませんが宜しくお願い致します。 (3月29日 20時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 作品が好きで見させてもらっています。作品一覧に3が無いのですが、削除されてしまっていますか？ (3月29日 4時) (レス) id: fadf2e6ab2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - から入って探して頂ければと思います。申し訳ございません。ですがR18作品なので勿論18才未満の方の閲覧はご遠慮しております。もしそうでなければ、どうぞ続きをお楽しみ下さい！ (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - 青さん» 青さん、ご感想ありがとうございます✨こちらの続編ですがR18作品になっておりまして、占ツクの仕様上、健全物とR18はリンクを紐付けることが出来ないようになってまして…。なので続編はお手数ですが私の名前をクリックか、↑の「この作者の作品を全表示」と言う所 (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
青 - とても好きです。2の続編が見つけられず…どこから観れるか教えていただけませんか？ (12月2日 15時) (レス) id: 437b233046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年9月16日 15時
