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○真上を通り過ぎた太陽は、今日も暖かな日差しを降らせている。
窓から差し込む陽光がベッドの上で穏やかな寝息を立てるAの顔を照らしている。その表情は安らかではあるが、頭に巻かれた包帯や首に貼られたガーゼが痛々しさを物語っていた。
外界の音さえも遮断したかのような静寂に包まれる部屋。
そんな中、不意に彼女の目蓋が震える。
それは静かにゆっくりと開かれていくが、陽光が眩しかったのか眉を顰めて目を細める。そしてそれから逃げるように首を反対側へと動かした後、まだ微睡みから抜け切れない
見覚えのある家具の立ち並びと、とても落ち着くあの人の匂い。
徐々に覚めゆく意識の中で、Aは此処がゾムの寝室であることに気が付いた。
何故自分がこんな所で寝ているのか。パッと思い出せず、記憶を遡ってみようとしたその時、不意に頭に痛みが走る。それに驚いて僅かに体を動かした瞬間、まるで連動するかのように全身に痛みが走り抜けていく。
と同時に、彼女の頭の中に記憶が蘇ってくる。そうだ、先輩達に地下に連れられて暴行を受けたのだ。
あれからどれくらい経ったかは分からないが、まだ痛みが残り思うように体を動かせない。これでは仕事はおろか、日常生活でさえも支障が出るレベルだろう。
いつになれば治るだろうか。心配が募る思いを胸に、Aは一つ溜め息を天井へと吐き出した。
するとその時、部屋の扉が開かれる。
入ってきたのは勿論部屋主で、ゾムは今日は仕事が休みなのか私服を纏っている。
そんな彼が真っ先にベッドへと視線を向け、彼女の様子に気が付くと目を見開いた。そしてすぐに足早に彼女の下へと歩み寄り、その顔を覗き込んだ。
「起きたんか。具合は？ 大丈夫か？」
心配に揺れる緑玉が真っ直ぐに彼女の瞳を見つめる。普段の明るく自信に満ちた声はすっかり鳴りを潜め、それは不安で震えていた。
彼のこんな顔を見るのは初めてだ。Aは新たな彼の一面に驚きつつ、どう答えればいいのかと逡巡する。体の痛みは相変わらずだが、気分とかそれ以外の不調はとりあえず無いので大丈夫と言うべきか。
少し考えた後、Aは寝起きの掠れた声で、はい、と小さく返事をする。それにひとまず安堵したのか、少しだけ表情を柔らかくしたゾムは、そうか、と呟いた。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 。さん» 。さん、こちらの作品を読んで下さり誠にありがとうございます！続編はあります。リンクが連携されていない理由と検索方法はコメント欄にあります(このすぐ下です)お手数をお掛けして申し訳ございませんが宜しくお願い致します。 (3月29日 20時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 作品が好きで見させてもらっています。作品一覧に3が無いのですが、削除されてしまっていますか？ (3月29日 4時) (レス) id: fadf2e6ab2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - から入って探して頂ければと思います。申し訳ございません。ですがR18作品なので勿論18才未満の方の閲覧はご遠慮しております。もしそうでなければ、どうぞ続きをお楽しみ下さい！ (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - 青さん» 青さん、ご感想ありがとうございます✨こちらの続編ですがR18作品になっておりまして、占ツクの仕様上、健全物とR18はリンクを紐付けることが出来ないようになってまして…。なので続編はお手数ですが私の名前をクリックか、↑の「この作者の作品を全表示」と言う所 (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
青 - とても好きです。2の続編が見つけられず…どこから観れるか教えていただけませんか？ (12月2日 15時) (レス) id: 437b233046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年9月16日 15時
