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○首領、と言えば、この屋敷の主人でマフィアの最上階級、一番偉い人。
何故そんな人がこんな小娘を呼んでいるのか。衝撃と共に訳が分からなさすぎて、Aは喉に声を詰まらせ鯉が餌を強請るように、ぱくぱくと口の開閉を繰り返す。
「——なっ、なんで、わたし、が……？」
「ほら、お前が前にくれた情報。そのおかげで被害が大きくならずに済んだって話したやん？ あいつ、そのことでお前にお礼言いたいんやって」
たったそれだけの理由で、こんな下っ端も下っ端の存在である自分がマフィアの首領と対面してもいいのだろうか。先方のよく分からない希望にAはやはり首を傾げるしかなかった。
それと同時に妙な違和感も覚えた。マフィア社会と言うのは相当厳しく、それは上下関係にも影響していると思っているのだが。
彼は先程、自分の上司に当たる人物の名を呼び捨てにしていたような。かつその人物に対して敬意を表している様子もなく、寧ろ何となくフレンドリーな気がしないだろうか。
まあ、そもそもゾム然り、エーミール然り、此処の組織の幹部と呼ばれている人物は今まで彼女が見てきたマフィアの常識を覆す程強烈な個性を持っている。それが良い意味なのか悪い意味なのか判断しかねるが、マフィアらしからぬ人格者達を結束させているのだから、もしやその首領も非常識さを持ち合わせているのかもしれない。
「お兄さんは、その首領と友達みたいな関係なの？」
「まあ、せやな。組織立ち上げる前から知ってるから、そこそこ長い付き合いやな」
彼の意外な返答にへえ、と小さく声を漏らした。本当に友人関係だったとは。
それを聞いて少しだけ怖さと緊張を解し、寧ろどんな人物なのかと興味が湧いたAは黙ってゾムの後ろをついていった。
暫く廊下を歩き、彼女が改めて屋敷の広さに感嘆の息を吐いていると、二人の目の前に木製の両扉が現れる。重厚そうでアンティーク調に掘られた文様が刻まれたそれの前にゾムの足が止まる。そうすると自然にAの足も止まり、廊下に響く足音が無くなるとそれを引き継ぐかのように彼の扉をノックする音が響いた。
中から独特な低い声が返ってくると同時に、ゾムはすぐにドアノブを捻り、何の躊躇いもなく部屋の中へと踏み込んだ。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 。さん» 。さん、こちらの作品を読んで下さり誠にありがとうございます！続編はあります。リンクが連携されていない理由と検索方法はコメント欄にあります(このすぐ下です)お手数をお掛けして申し訳ございませんが宜しくお願い致します。 (3月29日 20時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 作品が好きで見させてもらっています。作品一覧に3が無いのですが、削除されてしまっていますか？ (3月29日 4時) (レス) id: fadf2e6ab2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - から入って探して頂ければと思います。申し訳ございません。ですがR18作品なので勿論18才未満の方の閲覧はご遠慮しております。もしそうでなければ、どうぞ続きをお楽しみ下さい！ (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - 青さん» 青さん、ご感想ありがとうございます✨こちらの続編ですがR18作品になっておりまして、占ツクの仕様上、健全物とR18はリンクを紐付けることが出来ないようになってまして…。なので続編はお手数ですが私の名前をクリックか、↑の「この作者の作品を全表示」と言う所 (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
青 - とても好きです。2の続編が見つけられず…どこから観れるか教えていただけませんか？ (12月2日 15時) (レス) id: 437b233046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年9月16日 15時
