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○そうか、あの人達の本当の目的はこれか。確かに此処ならそうそう見付かることは無いだろう。
Aは焦りながら何とか部屋から脱出する方法は無いかと考える。唯一外と繋がっている窓は小さく、とてもではないが彼女の体を通すことは出来ないだろう。後はこの閉じられた扉だけ、他に出口は無さそうだ。
いっそ扉を壊すか。
幸い此処は倉庫なので使えるかどうかはさておき物は色々ある。Aは部屋の中を一度見渡しながらそれを実行するかどうかを考えた。
しばし熟考した後、結局保留することに決めた。いくら出る為とは言え、器物破損をするのは些か抵抗がある。それに壊した所で開く保証もないし、寧ろもっと脱出困難になってしまったら元も子もない。
壊すのは最終手段に取っておこう。
そう結論に至ったAはとりあえず誰かが自分のことに気が付いて探しに来てくれることを待つことにした。望み薄ではあるが、一日二日姿を見せなかったら流石に気付くだろう。
ゾムが居たらきっとすぐに分かるのだろうけれど、生憎彼はしばらく帰ってこない。最も頼みの綱である存在がいないだけで、こんなにも不安になるとは。
もう既に掃除をする気も失せたAは扉から少しずれた場所に腰を下ろす。服が汚れることなんてもはやどうでもよくなって、膝を抱えた後深い溜め息を吐き出した。
物音一つもしない沈黙が辺りを包み込む。
まるで世界にただ一人だけ取り残されたような空気感を覚えた彼女の胸に不意に寂しさが顔を覗かせる。それは此処に来てから初めて感じたこと。独りなんて今まで随分味わって来たから、もう慣れているはずだったのに。
まだそんなことを思える感情が残っていたとは。
以前より自分が弱くなったことを痛感したAは少しだけ悔しく思い、膝を抱える腕にぎゅっと力を込めた。と同時に今の状況があの頃と同じなような気がして、脳裏に過去の光景が思い浮かばされる。
誰にも助けを求められず、出たいと切に願って。けれど毎日与えられる苦痛に心を失い、未来が無いことに絶望して、死にたいと思う程追い詰められていた。
もう、あの頃に戻りたくない。
もうあんな思いをするのは御免だ。
「……お兄さん」
脳裏に彼の姿が映る。
差し伸べた自分の手を掬い取ってくれた彼の体温がこんなにも愛しい。
迫り上がってくる熱にAは思わず熱くなりそうな目頭を必死に堪えた。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 。さん» 。さん、こちらの作品を読んで下さり誠にありがとうございます！続編はあります。リンクが連携されていない理由と検索方法はコメント欄にあります(このすぐ下です)お手数をお掛けして申し訳ございませんが宜しくお願い致します。 (3月29日 20時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 作品が好きで見させてもらっています。作品一覧に3が無いのですが、削除されてしまっていますか？ (3月29日 4時) (レス) id: fadf2e6ab2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - から入って探して頂ければと思います。申し訳ございません。ですがR18作品なので勿論18才未満の方の閲覧はご遠慮しております。もしそうでなければ、どうぞ続きをお楽しみ下さい！ (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - 青さん» 青さん、ご感想ありがとうございます✨こちらの続編ですがR18作品になっておりまして、占ツクの仕様上、健全物とR18はリンクを紐付けることが出来ないようになってまして…。なので続編はお手数ですが私の名前をクリックか、↑の「この作者の作品を全表示」と言う所 (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
青 - とても好きです。2の続編が見つけられず…どこから観れるか教えていただけませんか？ (12月2日 15時) (レス) id: 437b233046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年9月16日 15時
