21：甘くはなかった ページ21
○あれからしばらく時間が経って、Aはすっかり仕事に慣れた。もう既に掃除も洗濯もお手の物で、始めた当初に比べたらこなすスピードは比べ物にならないくらい早くなった。教育係の先輩の指示を仰がなくても自ら動けるようにもなった。そんな彼女の姿を遠くから見守る教育係の顔はどこか誇らしげであった。
変化はそれだけでなく、ようやく彼女は他の使用人達とも交流するようになった。まだ上手く他人と接することが出来ないが、彼女は彼女なりに精一杯歩み寄ろうとしていた。新しい仕事を覚える為に先輩達からご教授を願ったり、まだ覚えきれない屋敷内の道を教えてもらったり。健気に頑張る彼女を——最年少だからと言うのもあるが——他の使用人達は好感を持ち、温かい目で見守っていた。
そんな彼女の交流はそれだけでは留まらなかった。
初対面を済ませたこの組織の幹部——コネシマ達もあれから幾度か仕事中の彼女に声を掛けることがあった。遠くで見かけた時は彼女に笑って手を振ったり、たまたま近くを通り過ぎようとした時は軽く会話をしたりしていた。
Aは最初こそ戸惑いはしたが、気さくに親しみを持って話しかけてくれる彼らにすっかり心を許し、見かけると自然と笑みを浮かべてしまうくらいになっていた。
他にも、あれから一度だけ、彼女自身はもう会うことは無いと思っていた
すれ違おうとしたグルッペンと側にいたトントンの進行を邪魔しないようにと、廊下の端に寄っていたその時に声を掛けられたのだ。「元気そうだな」と相変わらず真紅の強い眼光を向けられてAは怯んでしまったが、「はい」としっかり返事をして軽く頭を下げた。その様子に彼は安心したように笑うと歩みを再開した。
次いでトントンが「ご苦労様」と労いの言葉を彼女に掛けてからその背中についていった。その場に残されたAは思わぬ人物との再会と言葉を貰ったことが衝撃で、二人の姿が見えなくなるまでしばし動けなかった。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 。さん» 。さん、こちらの作品を読んで下さり誠にありがとうございます！続編はあります。リンクが連携されていない理由と検索方法はコメント欄にあります(このすぐ下です)お手数をお掛けして申し訳ございませんが宜しくお願い致します。 (3月29日 20時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 作品が好きで見させてもらっています。作品一覧に3が無いのですが、削除されてしまっていますか？ (3月29日 4時) (レス) id: fadf2e6ab2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - から入って探して頂ければと思います。申し訳ございません。ですがR18作品なので勿論18才未満の方の閲覧はご遠慮しております。もしそうでなければ、どうぞ続きをお楽しみ下さい！ (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - 青さん» 青さん、ご感想ありがとうございます✨こちらの続編ですがR18作品になっておりまして、占ツクの仕様上、健全物とR18はリンクを紐付けることが出来ないようになってまして…。なので続編はお手数ですが私の名前をクリックか、↑の「この作者の作品を全表示」と言う所 (12月2日 18時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
青 - とても好きです。2の続編が見つけられず…どこから観れるか教えていただけませんか？ (12月2日 15時) (レス) id: 437b233046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年9月16日 15時
