バレませんように ページ50
○いや別に二人のことをよく知っている訳ではないけど。寧ろ知らないことだらけだ。でも今まで受けた印象からして、こんなことをするような人物とは思えなかったから少し驚いてしまった。
猫が好きなのか、それとも動物が好きなのか。二人とも餌皿を囲む猫達を見ながら楽しそうに笑っている。特にショッピ様は他の生徒会メンバーにも見せないような、とても優しい瞳をしている。普段は気怠げな印象だけれど、私が居る時は冷ややかで鋭い目付きしか見たことしかないから。
あんな表情も出来る人だったんだ。もしかしたら二人とも、本当は根が優しい人なのかもしれない。
「あ、ショッピ。あの猫来たで」
「ん？ ……あ」
そんなことを考えていると、二人が急に顔を此方の方へ向けてきた。焦った私は急いで頭を引っ込める。き、気付かれてないよね……？ 折角落ち着いてきたのに、再び心臓がバクバクと跳ね上がる。
「餌あるで。こっち
ショッピ様の柔らかい声が聞こえてくる。どうやら気付かれてないっぽい。ほっと胸を撫で下ろす。
あの猫とは。彼のお気に入りの子でも来たんだろうか。今顔を出したら流石に見つかってしまうから状況が分からないけど。とりあえず耳を澄ませて様子を窺う。
すると少し間を置いてからチーノ様が、あら、と声を零した。
「んふふ、相変わらずつれへんやっちゃやなあ」
「……」
その感じからして、おそらくその猫は二人の下へ行かなかったんだろう。まあ猫あるあるだ。いくら人間に慣れていると言っても、別に全員が全員人間に愛想を振り撒く子ばかりではない。一歩手前で様子見している子や此方から歩み寄らなければならない子もいる。まあ、そんなつれない所もまた可愛いんだけどね。
なんて思っていると突然、私のすぐ近くにある茂みがガサガサと揺れ出した。
「……ッ⁉︎」
ドキッと心臓が高鳴ると同時に体が固まる。何、何？ 一体何だ。二人は、まだ向こうにいるはずだから違う。じゃあこれを揺らしているのは誰だ。
ハラハラしながら其処を凝視しているとその中からひょこっと、黒い影が現れた。
「にゃあ」
二つのまん丸の目で私を捉えたそれは愛らしい声で一鳴きした。その影とは、私が可愛がっているあの黒猫だった。
び、びっくりしたあ……。君だったのか。
私は一つ溜め息を吐く。まさかこんな状況で来るとは。会えたのは嬉しいけれどちょっと心臓に悪かった。
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抹茶ちよこ(プロフ) - かぼさん、お久し振りでございます。いつもいの一番にコメントして下さりありがとうございます✨よくある題材で設定が設定なので今までの作品に比べ糖度は低いですが、私らしく物語を紡いでいきたいと思っております。最後までお付き合い下されば幸いでございます。 (1月18日 8時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 新作おめでとうございます✨初めてお見かけする雰囲気のお話に、今から続きが待ち遠しさと楽しみでいっぱいです(*´ ‐ `*)気温の変動が激しい時期ですので体調崩されないようお気をつけてお過ごしくださいませ。 (1月16日 22時) (レス) @page8 id: 36a6e4e509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2024年1月16日 20時
