二度目の再会 ページ42
○私は目の前で起きた出来事と、その聞き覚えのある低い声に驚きを隠せなかった。振り返ると、乳白色の瞳と目が合った。
「どうぞ」
隣に居たのは──エーミール様だった。
彼は手に取った本をこちらに差し出してきた。
「あっ……ありがとう、ございます」
初めて見ることの出来た表紙には私が求めていたタイトルが刻まれている。未だ戸惑いを隠せない中、私は控えめに感謝の言葉を述べながらそれを受け取った。
いつの間に其処に……全然気付かなかった。何故彼が此処にいるんだ？ とふと思ったけれど、そう言えばこの人図書委員だったわ。なら此処に居てもおかしくない。頭の片隅に放置されていた記憶を手繰り寄せた私は一人納得する。
「歴史に興味があるんですか？」
「え……？」
私の手元にある本を一瞥した彼がそう訊ねてきた。
「ま、まあ、そうですね」
「ああ、やはりそうでしたか。よく貴女がこのコーナーにいらっしゃるのを見ていたので、もしかしたらそうなのではないかと思っていまして……」
私が頷けば彼は嬉しそうに笑みを零した。
実は、此処ら辺の本棚にはこの国だけでなく、世界中の歴史にまつわる書物がずらりと並べられているのだ。そして私が持つこの本は今から数百年前にこの国で栄えた文化や行ってきた政治、歴史に名を残す出来事が纏められたものである。
実は私、歴史が好きなのだ。なので勉強以外でも、趣味として歴史を学ぶことを以前からしていた。日本史は勿論、世界史も。いつか日本の偉人達が関わった場所とか世界遺産に登録された歴史的建造物を見に行きたい。そう思っていたくらい興味を持っているのだ。まあ今では叶わぬ夢となったが。
それで先にも言ったようにこの世界について調べものをした際に、段々とこの世界そのものに興味を持つようになったのだ。以前住んでいた世界とはまた違う面白い記述を沢山見つけたので、こうして長い歴史の一部分ずつを細かく本で読んでいる最中である。
何故彼が本を読むのが好きなんですか？ ではなく、そう訊いてくるんだろうと思っていたけれど。成程、私がよく此処に来ていることがバレていたのか。まあでも何故そんな嬉しそうなのかは分からないが。
……って、違う！ その時私は肝心なことを思い出した。
あまりにもナチュラルすぎて気付くのが遅れてしまったが、何でこの人普通に話し掛けてきてんのよ⁉︎
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抹茶ちよこ(プロフ) - かぼさん、お久し振りでございます。いつもいの一番にコメントして下さりありがとうございます✨よくある題材で設定が設定なので今までの作品に比べ糖度は低いですが、私らしく物語を紡いでいきたいと思っております。最後までお付き合い下されば幸いでございます。 (1月18日 8時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 新作おめでとうございます✨初めてお見かけする雰囲気のお話に、今から続きが待ち遠しさと楽しみでいっぱいです(*´ ‐ `*)気温の変動が激しい時期ですので体調崩されないようお気をつけてお過ごしくださいませ。 (1月16日 22時) (レス) @page8 id: 36a6e4e509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2024年1月16日 20時
