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気にしない気にしない ページ36

○一体彼は何がしたかったんだろう。ただ私を無言で見つめ、結局何も言わず去ってしまった。
　まさか無視しているのがバレて気を悪くしたから睨み付けてきたとか？ それともこちらが見ていないことを利用して今までの怒りをその眼差しに込めていたとか？ もし後者だったなら目を合わせなくて正解だったのかもしれない。
　
　胸の中のもやもやが晴れることはなかったけれど、とりあえず誓いを破らずあの場を切り抜けられて良かったと思う。こんな心臓に悪い場面がもう来ないことを祈りながら私は屋上の扉から視線を外した。


＊＊＊



　屋上は良い。何てったってこの開放感が良い。屋内は、家ならまだしも学園内(ここ)では窮屈さと息苦しさを感じてしまうから。人気も無いし静かだし。けれどそれらに関しては一理、私の所為と言うこともなくはないんだろうけど──。
　
　本来此処は生徒達の間で人気の場所である。テラスもあって管理の行き届いた観葉植物や花壇など自然もあり、そして何より今の時季は日光が暖かく昼寝するのに絶好の場所なのだ。だから食堂で昼食を終えた生徒達がぞろぞろとやってきて、皆思い思いに昼休みをのんびりと過ごしている。
　
　──はずなんだけど。私が通い始めてから、以前より人が来なくなったような気がする。私がこの時間に此処にいることが学園内に広まったんだろうか。全くと言う訳ではないけれど、人影がぽつぽつといるくらいにまでは減った。あんなにあちこちから話し声や笑い声が聞こえ賑やかだった場所なのに。
　何だか悪いことをしてしまったと感じると同時に、私は驚きを隠せなかった。そこまで私を嫌っているのかと。ここまでくるといっそ清々しく感じるわ。
　流石にもうこの頃になると人に避けられるのは慣れたし、私も最低限のコミュニケーションしか取らないからそこまでショックは受けなかった。それよりも平和でこんな穏やかな時間を堪能出来るんだからまあいっか、と思う方が優った。だからこれからも此処に来ることはやめないつもり。勝手に私のことを避けていればいい。

　今日ももはや定位置となった場所で昼食を取り、その後の読書タイムに私は耽っていた。すると──それは突然訪れた。
　

　静寂の中、不意に感じた気配。近付いてきたそれはテーブルを挟んで向かい側の椅子、私の目の前に座ったのだ。

近付く緑色の影→←何ですか⁉︎



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抹茶ちよこ(プロフ) - かぼさん、お久し振りでございます。いつもいの一番にコメントして下さりありがとうございます✨よくある題材で設定が設定なので今までの作品に比べ糖度は低いですが、私らしく物語を紡いでいきたいと思っております。最後までお付き合い下されば幸いでございます。 (1月18日 8時) (レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
 かぼ(プロフ) - 新作おめでとうございます✨初めてお見かけする雰囲気のお話に、今から続きが待ち遠しさと楽しみでいっぱいです(*´ ‐ `*)気温の変動が激しい時期ですので体調崩されないようお気をつけてお過ごしくださいませ。 (1月16日 22時) (レス) @page8 id: 36a6e4e509 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2024年1月16日 20時

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