これはもしや ページ24
○今までそんなこと、勿論一度だってなかった。あり得ない。話って、何？ 私何かした？ いや定例会議すっぽかしたわ。それか？ もしやそれのお叱りを受けるのか？ でもエーミール様は特に怒った様子はないけど。ああでも会長は許してないパターンとか？ ええもうどうして。
何にしても前代未聞過ぎて怖い。嫌だ、生徒会室に行きたくない。
と思ったが、その時。
──いや待てよ。これはもしや、逆にチャンスなのではないだろうか。
ピン、と私はあることを思い出した。
実は、私には以前から考えていたことが一つあった。それを実行する為には生徒会メンバー、又は会長との接触が必要で。だからいつかは生徒会室に赴こうと思っていたのだ。だけどどうにもその勇気が出なくて、なかなか行動することが出来ず先延ばしにしている現状であった。
そんな時にまさかあちらから私を招き入れようとしてくれるなんて。これはまたとない好機。それなら入室する躊躇いも多少軽減されるし、彼と対面しても気まずさはそこまでないだろう。今行かなければこの重い腰を上げられない気がする。
私はようやく決意を固めた。
「分かりました」
行きます。その意志を込めて目の前の彼を見上げる。するとエーミール様はこくりと頷いてから「では行きましょう」と後ろへ振り返り歩き始めた。その後を私は静かについていく。勿論彼とは付かず離れずの距離を保ったままで。
しかし一体会長は私にどんな用なんだろう。決心したものの、やはり内心ビクビクしていて。もう既に緊張で心拍数が上昇している。
でもまあ自分への文句でも罵倒でも、私は何でも受け入れるつもりだ。その覚悟はとっくの昔に、もう出来ている。
道中私と彼との間に特に会話はなされなかった。周りの賑やかな音、二つの足音。静かで穏やかな──けれど何処か気まずさを含んだ空気が私と彼を包んでいた。そして数分後、何事もなく目的地に着くことが出来た。
重厚な木製の両扉の前で立ち止まると「少しお待ち下さい」エーミール様がその扉をノックしてから開けた。そして中の様子を窺うようにその隙間から顔を覗かせる。
「グルッペン、彼女をお連れしました」
「分かった。入ってくれ」
ビクリ。中から返ってきたそれに、私は思わず身を震わせた。
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抹茶ちよこ(プロフ) - かぼさん、お久し振りでございます。いつもいの一番にコメントして下さりありがとうございます✨よくある題材で設定が設定なので今までの作品に比べ糖度は低いですが、私らしく物語を紡いでいきたいと思っております。最後までお付き合い下されば幸いでございます。 (1月18日 8時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 新作おめでとうございます✨初めてお見かけする雰囲気のお話に、今から続きが待ち遠しさと楽しみでいっぱいです(*´ ‐ `*)気温の変動が激しい時期ですので体調崩されないようお気をつけてお過ごしくださいませ。 (1月16日 22時) (レス) @page8 id: 36a6e4e509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2024年1月16日 20時
