彼女の悪癖 ページ14
○それを強欲なエーラット嬢が見逃す訳もなく──。度胸があるのか、それともただの怖いもの知らずなだけなのか。彼女は彼らに近付いたと言う訳だ。
エーラット家も国に貢献した貴族の一つなので、一応王族と繋がりがある。それで実は、エーラット嬢とグルッペンは幼い頃に会ったことがあったのだ。まあその後交流はほとんどなかったが。彼女はそれを利用してグルッペンに接触し、学園長の後押しもあり生徒会へ入ることが出来た。
そこからは彼女のやりたい放題だ。ろくに生徒会の仕事もせず、メンバーに気に入られようとあの手この手を使い擦り寄るばかり。それが彼らにとって酷く煩わしかった。気のない女に追いかけられ迫られたって、それはただの迷惑にしかならない。と言う訳で彼らは一切彼女に靡くことはなく、もれなく嫌悪の対象となった。
そんな行為を繰り返す内にその噂が生徒の間にも広がり、より彼女の悪評が高まった。そして学園内最大の嫌われ令嬢と言う悪名まで付いてしまったのだ。
「フィオナ様も、今日も美しいですわね」
「ええ。笑うお姿はまさに華。本当にあのお二人はお似合いですわね」
そして更にエーラット嬢の悪い部分を露呈する切っ掛けの一つになったのが、今生徒会長の側に寄り添い笑っている彼女の存在だ。あの集団の中で唯一の華。
フィオナ・セレジェイナ。グルッペン・フューラーの婚約者だ。
その優しい性格を現した笑顔は皆の心を暖かくさせ、穏やかで寛容な心を持つ。可憐でどこか儚げな花のような印象があるセレジェイナ家の令嬢だ。故に誰からも愛され、彼女の周りには自然と人が集まってくる。
前にも言ったように、エーラット嬢は自分に無いものを持っている他人を酷く妬む生き物である。現在婚約者もいない、恋人すらもいない彼女にとってフィオナ嬢はとても眩しく、目障りな存在であった。自分より目立ち、生徒会メンバー全員からちやほやされる女。彼女はそれが許せなかった。
何とかフィオナ嬢を陥れたい。そう思っていた彼女だったが、流石にグルッペンの婚約者と言うこともありなかなか強気に出ることは出来なかった。彼の信頼を失うことが何より怖かった。いや最初からそんなものは無かったのだけれど、彼女がそれに気付けるはずもなく。
フィオナ嬢よりも自分の方が優れている。自分を選ぶのが正解なのだと、それを知らしめようとメンバーに色々とアプローチしたのだが。
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抹茶ちよこ(プロフ) - かぼさん、お久し振りでございます。いつもいの一番にコメントして下さりありがとうございます✨よくある題材で設定が設定なので今までの作品に比べ糖度は低いですが、私らしく物語を紡いでいきたいと思っております。最後までお付き合い下されば幸いでございます。 (1月18日 8時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 新作おめでとうございます✨初めてお見かけする雰囲気のお話に、今から続きが待ち遠しさと楽しみでいっぱいです(*´ ‐ `*)気温の変動が激しい時期ですので体調崩されないようお気をつけてお過ごしくださいませ。 (1月16日 22時) (レス) @page8 id: 36a6e4e509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2024年1月16日 20時
