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○まさか初めて会って数秒しか経っていない男と二人きりにさせられるのか。それは流石に人見知りには苦行以外の何物でもない。しかしここで突っ立っているのもあれだし、仕方がないか。
腹を括っていざソファーの方へ向かおうとしたその時、青と目が合う。らだ男が真顔でじっとこちらを凝視し続けているのだ。その視線にゾムは思わず頬を引き攣らせた。
何だか見定められている気分だ。いや、彼女が先程話したように自分に興味を持ったからこそどういう人物なのか観察していると言った方がいいのか。とりあえずあまり居心地が良いとは思えないそれに耐えながらゾムは彼の後ろを通り、彼と少し距離が離れた場所に腰を下ろした。
その間でも彼の視線は絶えず突き刺さる。少し勇気を出して、ちらっと目を上げると視線がかち合う。それに気付いたらだ男がふっと口元を緩めた。
「Aとは友達？」
「……そう、っす」
「ふーん。どんなエロガキが来るのかちょっと心配してたんだよねえ」
そう言って彼が含みがありそうな笑い声を上げる。その言い方が何だか鼻についたゾムはフードの影の中で眉を顰めた。
年下だからと言って、初対面の相手に普通そんな口を聞くか。雰囲気や声からして怠そうな感じはするが、柔らかく笑う顔は好青年そのもので一見常識のありそうな大人かと思っていたのに。
からかっているだけなのか、それとも見極めようとしているのか。細くなった目の奥の青玉が何を考えているのか分からなくて、ゾムは口を閉じて無意識に彼を睨みつけていた。
「ちょっとらだ兄、まさかゾム君のこと
すると戻ってきたAが飲み物が入ったグラスをゾムの前のテーブルに置いた。何となくその場に流れていた空気を感じ取ったのか、二人の間に割って座った彼女はじとっとらだ男を見つめた。
私の友達に失礼なことしないで、と詰め寄るようなそれに一瞬目を丸くした彼はすぐににへらと笑って「虐めてないよ」と少し棒読み感が残る声でそう言った。
彼の視線からようやく解放されたゾムはそんな二人を余所に密かに胸を撫で下ろした。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けてとても嬉しいです！これからもどうぞ温かい目で見てやって下さい。ありがとうございます！ (2022年4月17日 12時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁ〜〜！！本当に面白いです！！まさかのライバル？！誰なんだ…続きも楽しみにしてます！ (2022年4月15日 0時) (レス) @page39 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2022年3月14日 15時
