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40:仲間?それとも? ページ40

今日は生憎の曇り空。しかしそのおかげで太陽からの強烈な紫外線を浴びせられることなく、外の暑さが幾分か和らいでいた。それでも蒸し暑いのには変わりないが。
 晴れ渡った空の下を歩く時よりも足取り軽く、ゾムは最近通ったことのある道を記憶を頼りに進んでいった。見覚えのある風景を適当に視線で流していくと、向こうに目的の建物が見えた。その瞬間胸を弾ませる思いを微かに高めながら徐々にそこへと近づいていく。
 建物の敷地内に堂々と入り、玄関ドアの前に立つとボタンを押す。家の中にチャイムが鳴り響いたのが聞こえた。
 
 それから数秒沈黙が流れる。ゾムが大人しく待っていると目の前から鍵が開いた音が聞こえてきた。そしてすぐにドアが開き、その隙間から彼女が顔を覗かせた。
 
「いらっしゃい。ゾム君、よく道覚えてたね」
「んはは、まあそんな複雑じゃないからな。これくらいは。お邪魔しまーす」
 
 そう言ってゾムは彼女の家の中へと入った。二度目の訪問なので最初とは違って殆ど緊張はなかった。

 
「あ、あのねゾム君。今日実は私の知り合いが家に来ててね」
 
 玄関に座って靴を脱いでいる最中、彼女のそんな言葉が背中に掛けられた。え、と思わず靴紐を解いていた手を止めてゾムは目を丸くしながら振り向いた。
 ついさっき急に来ちゃってね、久し振りに会えたからすぐ帰すのもあれだと思って。そう言う彼女は非常に申し訳なさそうな表情を浮かべている。
 まさか先客が居ると思いも寄らなかったゾムは未だ呆然と彼女の顔を見上げる。となると、この前のように彼女と一緒にゲーム三昧することが出来ないかもしれないのか。まあ彼女も予想外の出来事らしいので仕方がないとは言え、遊ぶ時間が減るのは少し残念に思った。
 
「前からゾム君と遊ぶ約束してたってことを話したんだけど、そしたらその知り合いがゾム君に会ってみたいって言ってきてね」
「え、お、俺に……?」
 
 ようやく靴が脱ぎ終わり立ち上がった瞬間、思い掛けない言葉にゾムは更に驚きを見せた。
 そんな彼にAは控えめに頷いた。彼女曰く、その知り合いもゲーム好きでなかなか腕前も良いとのことで。ゾムのプレイヤースキルなどを話した所、興味を持たれてしまったとのことらしい。是非その実力を見てみたい、と言うことでゾムの来訪を心待ちにしていると聞かされた。

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作品ジャンル:恋愛
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抹茶ちよこ(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けてとても嬉しいです!これからもどうぞ温かい目で見てやって下さい。ありがとうございます! (2022年4月17日 12時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁ〜〜!!本当に面白いです!!まさかのライバル?!誰なんだ…続きも楽しみにしてます! (2022年4月15日 0時) (レス) @page39 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:抹茶ちよこ | 作成日時:2022年3月14日 15時

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