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「ごめんね。今日はちょっと用事があって……」
そう答えるや否や、ゾムの顔が急激に冷めていく。吊り上がっていた口角が下がり、フードの影が被さった瞳から輝きが失われていった。そうかあ、と小さな声を零した唇が彼女の目には何となくとんがっているように見えた。
明らかにテンションが下がった彼にAは何だか申し訳なさを感じてしまい、思わずまた謝罪の言葉を口にした。
「じゃ、じゃあ、いつだったら行けるん？」
「え？ んー……あ、明日なら大丈夫だけど」
「明日？ え、ええよっ！ 全然行けるでっ！」
次の瞬間、声を張り上げた彼の顔に笑みが蘇る。嬉しそうな、まるで子供のように無邪気なそれに驚きつつもAはほのかに頬を赤らめる。自分の言葉にこれ程まで一喜一憂してくれるなんて、何だか少しむず痒さを感じたのだ。
登校時間の終了とＨＲの始まりを告げる鐘が鳴ると、ゾムは「また後でな！」と別れ際にそう言って自分の席へと向かった。その言葉に今日もまた彼と話す機会があるのか、とAは密かに口元を綻ばせた。
そして約束当日。学校から一緒に下校した二人はそのままゲームセンターへと直行した。
一階のクレーンゲームに目もくれず、目指すは三階から上を占めるアーケードゲームのフロア。彼の中では既にやるゲームを決めていたようで、ゾムは隣を歩く彼女へ振り返ると声を弾ませながら、あれをやろうとその場所まで連れて行こうとする。それにAは頷き、少し胸を躍らせながら彼についていった。
それから腕前の見せ合いが始まった。まずはアクションから、キャラクター、使う能力はそれぞれ自分が慣れたものを選択してゲームを開始。キャラ操作や、勝負の展開やタイミングを見計らっての能力の使用を披露していく。
画面の向こうで進んでいく勝負の行方を見守りながら二人は感嘆の声を零していった。なかなかの腕前だと素直に思ったのだ。
と同時にこの人と一緒にこのゲームを遊んでみたいと言う気持ちが膨らんでいった。きっと楽しいし、気持ちの良いプレイが出来そうな気がしたからだ。そう思えば早速二人はタッグを組み、他の野良プレイヤーとチームを作って勝負に挑んでいった。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けてとても嬉しいです！これからもどうぞ温かい目で見てやって下さい。ありがとうございます！ (2022年4月17日 12時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁ〜〜！！本当に面白いです！！まさかのライバル？！誰なんだ…続きも楽しみにしてます！ (2022年4月15日 0時) (レス) @page39 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2022年3月14日 15時
