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「なにぃ？ 俺の話してたのに俺に言えないことでも話してたん？」
気になるやん。そう言ってニヤニヤする彼に明らかに動揺を見せるA。どう話を誤魔化すか、内心冷や汗を掻きながら必死に考える彼女の様子を見て、ハルナはやれやれと言ったように一つ溜め息を吐いた。
「最近ゾム君と仲良いねって話してたのよ」
そう助け舟を出せば彼の視線がハルナへと向く。彼女のその言葉に成程と理解を示したゾムがああ、と声を零した。
「おかげでA、最近楽しそうだから良かったって思っててさ。やっとこいつに趣味が合う友達が出来て正直嬉しくてね。だから私、ゾム君には感謝してるんだ」
「ええ？ なんやそれ。あ、改めてそう言われると、照れてまうわ」
俺もAさんと仲良くなって良かったって思ってる。彼にそう言われてAは顔を赤くすると照れ臭くなって視線を逸らした。と同時に、彼もまた自分と同じ気持ちを抱いてくれていたことに内心嬉しく思った。
「で、話聞けば結構一緒に遊んでるんでしょ？ なのにお互いまだ苗字呼びなのが、何か引っ掛かるのよねえ？」
「……へ？」
「友達になったんだったら名前呼びにしたら？」
「ああ、そうやなあ。Aさんで慣れてもうたから特に気にせえへんかったけど、そう言われれば確かに」
「えっ？」
友人の機転で始まった急な展開にAは驚きを隠せなかった。まだ赤みが残る顔で友人と彼の顔を交互に見る。
ええと確か。そう言いながらゾムは再び隣の彼女へと顔を向けた。
「名前、Aやったよな？ これからそう呼んでもええ？」
前髪の間から見える輝く緑玉にAは思わず言葉を詰まらせ更に頬を赤くした。戸惑うような態度を見せ、一拍置いた後おずおずと口を開いた。
「……い、いいよ」
「ふは、ありがと！ せやったらAも俺のこと名前で呼んでな」
「え、あ、う、うん、分かった」
満面の笑顔を咲かせた彼の眩しさにとうとう直視出来なくなったAは顔を俯かせた。
機嫌良さそうにニコニコする彼と嬉し恥ずかしそうにする友人。そんな微笑ましい光景を眺めながら、ハルナは嬉しそうに笑みを浮かべた。
だがその内心で上手くいったとガッツポーズをしていることなど、当の本人達は知る由もなかった。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けてとても嬉しいです！これからもどうぞ温かい目で見てやって下さい。ありがとうございます！ (2022年4月17日 12時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁ〜〜！！本当に面白いです！！まさかのライバル？！誰なんだ…続きも楽しみにしてます！ (2022年4月15日 0時) (レス) @page39 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2022年3月14日 15時
