09：彼女の正体 ページ9
○やはり組織内にスパイが紛れ込んでいた。
任務失敗の報告後、早速捜査網を張って
すると出てきたのは、何と自分が抱える暗殺部隊の一人だった。何故分からなかったのか、それは奴が変装した男の所為だったのだ。
その男は組織に所属しているのが長く、周りからの信頼も得ていた人物だった。腕も立つので、今回問題となったあの任務でも部隊に選抜するぐらいだった。
実はあの時、ゾム以外にも命からがら帰ってくることが出来たメンバーが一人だけ居た。
それが、彼だ。
それを怪しんだ情報部隊が目を付け、張り込んだ所、実は味方に化けた敵側の構成員だった、と言う訳だ。情報を吐かせる為に生け捕えられた男の証言から、変装された部下は既に殺されてしまったとのことだ。
これをチャンスだと言わんばかりに、スパイはそいつの顔にわざわざ整形してまで組織内に潜り込んできたのだ。
その真実に上層部に激震が走った。だが同時に今まで睨み合ってきた敵の行動に合点がいった。
取引相手を横から奪い取られたり、こちらが襲撃した時には既にもぬけの殻で、代わりに爆薬が設置され甚大な被害を受けたのも。何かと先回りされて邪魔をされたりしていたのは、つまりそういうことだったのだ。
幹部全員が舐めた真似を、と唇を噛み締める中、やはりあの人だけは違っていた。
我らが首領——グルッペンだけは嬉々として、狂人めいたように瞳を光らせて笑っていたのだ。
「良いだろう、ならば戦争だ」
相変わらず大袈裟なことを言う男だ。こうなった彼は自分達に喧嘩を売ったことを後悔させるぐらい徹底して相手をぶちのめすまで止まらない。
否、止められない。それは長年付き合ってきたからこそ分かっていることだ。
首領の戦い好きのスイッチが入ってしまったら、幹部全員は従うしかない。まあ血の気の多い連中ばかりがいるので、大概反対する者もいない。一部はまたか、と呆れたように溜息を吐くが。
そんなこんなで、本格的に抗争を始める準備が開始された。着々と進む中、各々他の仕事をこなすことも勿論忘れない。敵勢力は一つだけではないのだから。
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抹茶ちよこ(プロフ) - コメントありがとうございます！嬉しいです！では是非読ませて頂きますね(^-^) (2021年10月29日 3時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
アンテール(プロフ) - こんな作品があったなんて…。驚きです。この作品、大好きです！(*^^*)良かったら私も書いてるのでいかがですか？自分の作品紹介してすいません。 (2021年10月27日 9時) (レス) @page40 id: 798525d29d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - はぁぶ。＠某戦争屋推しさん» コメントありがとうございます！まさかこちらの作品も見て下さったとは…！本当にありがとうございます(T-T)が、頑張ります…！ (2021年8月7日 4時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
はぁぶ。＠某戦争屋推し - 二章が気になる……。短編集の方から来た人です！抹茶ちよこさんの表し方？が好きです。更新を心待ちにしてます！頑張って〜 (2021年8月5日 18時) (レス) id: 457f98608e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年5月21日 14時
