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○先程まで自分がゲームしていた時に座っていた大きめのソファーに緑色の影があったのだ。
シートを覆い尽くす形で寝そべっているそれに動く気配はない。久し振りに見た、待ち望んでいたその色にAは静かに歩み寄る。
その顔は天井の室内灯に照らされてよく見える。閉じられた瞳に静かな呼吸音。ゾムはどうやら眠っているらしい。
初めて見た彼の寝顔に少し感動しつつ、これ以上ない観察の機会だと思い、Aは起こさないよう距離を取りながらまじまじと彼を見つめた。
いつも隠されている瞳を見ることが出来なくて残念だとは思うが、こう見るとやはり端正な顔立ちをしていると改めて気付く。だが今は眉間に少し皺を寄せ、その肌には細かい傷や汚れが付いていた。
おそらく戦場からそのまま帰って来たのだろう。戦闘服にも血や汚れが見え、一瞬怪我とかしていないだろうかと不安が過ぎる。
あまりの疲労で、部屋に帰ってきてすぐに横になったのだろう。彼が身に付けていたと思しき、ナイフや色んな種類の武器を収納するベルトが床に、雑に転がっていた。
気配も音も無く戻ってきたのには驚いたが、Aは彼の無事な姿が見れてひとまず胸を撫で下ろした。心の中でお帰りなさい、お疲れ様、と言葉を零す。
そこで何かを思い付いた彼女は静かに、極力足音を立てないように寝室の方へと入っていく。そしてすぐに出てきた彼女の手には白い毛布があった。そのまままたゾムの傍らで足を止めると、起こさないよう慎重にその毛布を彼の体に掛けてあげる。
最後に彼の顔を窺い、起きていないことを確認するとほっと息を吐く。
この後もまたゲームを再開するつもりだったが、予定変更だ。寝室で本を読むことにしよう。
Aは明日久し振りに彼と話せることを楽しみにしながら、部屋の明かりを消し、寝室へと姿を消した。
それから数時間後。すっかり太陽が高い位置に昇った頃に目を覚ました彼女がリビングへ行くと、ゾムは既に起きていた。
テレビに向かってソファーに座るその光景に何だかデジャブを感じる中、彼女の気配に気付いたゾムが振り返り「おはよー」とまだ眠たげな声を上げた。寝起きで立ち上がっていない声でそれに応えたAはとぼとぼと彼の下へ歩み寄り、静かに隣に座った。
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抹茶ちよこ(プロフ) - コメントありがとうございます！嬉しいです！では是非読ませて頂きますね(^-^) (2021年10月29日 3時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
アンテール(プロフ) - こんな作品があったなんて…。驚きです。この作品、大好きです！(*^^*)良かったら私も書いてるのでいかがですか？自分の作品紹介してすいません。 (2021年10月27日 9時) (レス) @page40 id: 798525d29d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - はぁぶ。＠某戦争屋推しさん» コメントありがとうございます！まさかこちらの作品も見て下さったとは…！本当にありがとうございます(T-T)が、頑張ります…！ (2021年8月7日 4時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
はぁぶ。＠某戦争屋推し - 二章が気になる……。短編集の方から来た人です！抹茶ちよこさんの表し方？が好きです。更新を心待ちにしてます！頑張って〜 (2021年8月5日 18時) (レス) id: 457f98608e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年5月21日 14時
