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「誰に？」
「同じ組織のショーンズって奴だ。女狂いの末に自分の屋敷にハーレムを作ってる変態野郎さ」
いかにもすけべそうな顔をして娼婦達を品定めしていた奴のことを思い浮かべて、男はげんなりしたように息を吐いた。
ゾムは相変わらず銃を構えたまま、その様子を黙って見ている。その口元からはいつの間にか笑みが消えていた。
「聞きたいことはそれだけか？」
「まあ……せやな」
「なら、命だけは助けてくれないだろうか？」
もしまだ何か情報が欲しいなら、いくらでもくれてやろう。どうせ自分も組織を裏切るつもりなのだから。
男は自分の目論みも暴露しつつ、そう命乞いをした。
「……せやな。もう、用済みや」
少し間が空いてから、ゾムの口から冷たく静かな声が零れた。
そして次の瞬間、耳を
額に風穴を開けられた男は目を見開いたまま、背もたれに背中をついて、ずるずると体を横に倒していった。
そしてそのまま微動だにしなくなった男に、ゾムは冷ややかな眼差しを送っていた。
✳︎✳︎✳︎
我々だの本拠地に戻ってきたゾムはすたすたと足早に長い廊下を歩いていた。
時折すれ違う構成員達や召使い達が揃いも揃って、廊下の端に寄って静かに彼の道を開ける。普段ですらその戦闘能力の高さや仕事内容で一目置かれているのに、何だかいつもと違う彼の雰囲気に気圧され足が勝手に動いたのだ。通り過ぎていく彼の後ろ姿を皆怪訝そうな表情で見つめていた。
そんな周りの視線など気にも留めず、ゾムは目的の人物が居るであろう部屋に一直線に向かう。
そして程なくして、目的地に到着。目の前の扉を一応ノックするが、部屋の主の許しが入る前にドアノブを回した。
扉を開けた先には、書類の山が置かれたデスクで眉間に皺を寄せながら仕事をこなす相談役——トントンの姿があった。
「ん？ どしたゾム？」
部屋に入ってきたゾムに気付いた彼は急な訪問を特に咎めることなく、睨めっこしていた書類から顔を上げる。その顔は何となくやつれている気がする。
ゾムはそんな彼の目の前で足を止める。
「なあトントン、ちょっと相談があんねんけど」
いつもより低めのトーンに真剣な表情。
仲間内では飄々とした態度でふざけたり悪戯をする彼だが、今は全くそんな雰囲気の欠片も見えない。
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抹茶ちよこ(プロフ) - コメントありがとうございます！嬉しいです！では是非読ませて頂きますね(^-^) (2021年10月29日 3時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
アンテール(プロフ) - こんな作品があったなんて…。驚きです。この作品、大好きです！(*^^*)良かったら私も書いてるのでいかがですか？自分の作品紹介してすいません。 (2021年10月27日 9時) (レス) @page40 id: 798525d29d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - はぁぶ。＠某戦争屋推しさん» コメントありがとうございます！まさかこちらの作品も見て下さったとは…！本当にありがとうございます(T-T)が、頑張ります…！ (2021年8月7日 4時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
はぁぶ。＠某戦争屋推し - 二章が気になる……。短編集の方から来た人です！抹茶ちよこさんの表し方？が好きです。更新を心待ちにしてます！頑張って〜 (2021年8月5日 18時) (レス) id: 457f98608e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年5月21日 14時
