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○ここに居て男達の相手をして我慢すれば命の保障はある。私も含め全員、過酷で惨めだけれど意地汚く生き続けている。
けれどきっと、これから長く生きていけるとは思っていない。こんな生活をしているんだから当たり前だ。
私もいつか壊れて、使い物にならなくなったら捨てられるか、最悪殺されるんだろう。そうなったら私はあの世で、掃き溜めに捨てられたゴミのような人生だったと思うだろう。
そんな最悪な最後をこんな絶望の檻の中で私は静かに待っていた。
あの時もいつもと変わらない日常、心を動かすのさえ億劫な程疲弊しつつも、唯一の平穏な時間を過ごそうとしていた。
——私の日常に突如として現れた、緑色のお兄さん。
出会いは何の前触れもなく、急に目の前に突きつけられて、思わず息を吸うのも忘れるくらいだった。それと同時にその緑色は今まで灰色だった私の世界を再び色鮮やかにさせるくらい強烈だった。
助けたのは本当に気紛れだった。
ただ単にどうすればいいか分からなかったと言った方が正しいけれど、何となくあの黒服の人達にこの人を渡したくないと思ったのだ。パッと見、怪我していたようにも見えたし。
私は純粋にその非日常的な存在に興味を惹かれてしまったのだ。だからあんな行為に出たけれど、思えば危ない橋を渡っていたんだと後から気付いた。まあ、死んだら死んだでそれで良かったのかもしれないけど。
どこの誰かも知らない、偶然やってきたお兄さん。多分会えるのもこの一度きり。そう思って色々と身勝手なことをしてしまった。
でもお兄さんは意外と優しかった。多分内心では面倒臭いって思ってるんだろうなあ、とは薄々気付いていたけれど。
そんな人と出会えるなんて、私に暴力も情欲も振るわない人なんて、本当に何年ぶりなんだろう。そんなことですら感動を覚えてしまう。自分がどれだけ汚い人間を見てきたか、分かっただけでも吐き気がする。
だから、お兄さんが殺し屋でも私にとっては唯一まともな人間に見えたのだ。
別れた後は、正直に言えば寂しかった。
また一人ぼっちになった。でもそれはいつもの現実に戻ってきただけ。私の現実はこっちなんだ。
別にお兄さんに会えたからと言って、私の現状が変わるわけでもなく。私は再び生き地獄を味わい続けることに。
奇跡は、二度はないと思っていた。
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抹茶ちよこ(プロフ) - コメントありがとうございます！嬉しいです！では是非読ませて頂きますね(^-^) (2021年10月29日 3時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
アンテール(プロフ) - こんな作品があったなんて…。驚きです。この作品、大好きです！(*^^*)良かったら私も書いてるのでいかがですか？自分の作品紹介してすいません。 (2021年10月27日 9時) (レス) @page40 id: 798525d29d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ちよこ(プロフ) - はぁぶ。＠某戦争屋推しさん» コメントありがとうございます！まさかこちらの作品も見て下さったとは…！本当にありがとうございます(T-T)が、頑張ります…！ (2021年8月7日 4時) (レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
はぁぶ。＠某戦争屋推し - 二章が気になる……。短編集の方から来た人です！抹茶ちよこさんの表し方？が好きです。更新を心待ちにしてます！頑張って〜 (2021年8月5日 18時) (レス) id: 457f98608e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2021年5月21日 14時
