捕獲対象【天童覚】

＊ ページ17

Aside







「マネージャーを辞めてもらうよ」





その言葉は、思ったよりショックだった。





でもよく考えたら当たり前のことで
そもそもマネが因縁の相手校の人と付き合うなんて、あってはいけない事なんだと思い知らされる。





…やっぱ上手くいかないな





基本的に、恋愛に向いてなかったんだ。
早く分かって良かったじゃない。





『天童さん。もういいです。』





天童「…え？」





『…私、マネージャーの仕事好きなんです。


それに、天童さんと私は別の学校でしょ？
この合宿が終わったら、きっと冷めますよ。

遠距離恋愛は上手くいかないって、言うじゃないですか。』






私を抱き締めていた手が緩む。





いっぱいいっぱいの心中とは裏腹に
言葉は驚く程淡々と出た。






天童「Aちゃん…」





天童さんの顔を見れない。


どんな顔してるのかな。
名前を呼ばれるのも、もう最後かな。





及川さんの方へ歩いて行き
頭を下げる。





『マネージャーとしての自覚が低かったです。本当にすみません。』





及川「………顔上げて」





顔を上げると、そこには優しい表情の及川さんがいた。





及川さんは私の頭をポンポン撫でて

「ミーティング一時間後ね、マネージャー。」

と言った。






頷いて、天童さんの方は振り返らずに
部屋へと廊下を歩いて行った。






・






・







＿＿＿＿バタン






『………ッ…あれ…』






何でだろ






すっごい涙でてきた。







・

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