episode14 ページ14
「私、婚約者がいて…、でも、まだ正式にってわけじゃなくて」
そろそろと話し始めた彼女の言葉に耳を傾ける。
「…それで、その婚約の条件が、18になるまで英徳にいること…、英徳を卒業することなんです。私の家はご存知の通り没落してしまったので、この結婚だけが頼みの綱なんです」
「……そう」
思ったより、深刻な話だった。
そのあと、私たちはお喋りに花を咲かせ、気がついた頃には空は茜色に染まっていた。
「ごめんなさいね、今日は遅くまで」
「いえ、お気になさらずにっ。あの、ごちそうさまでした」
「そう。ほんとにお家まで送らなくていいの?」
「はい。大丈夫です。ここからなら歩いて5分ぐらいですし」
あ、そうだった。
私は手にかけてあった袋を彼女に手渡した。
「これ、良かったら。今日連れ回したお詫び」
「え、でも」
「いいから。久しぶりに気兼ねなく笑えたし」
「あ、ありがとうございます…っ」
「それじゃあ音さん、ごきげんよう」
「はい、Aさん。また明日」
車の中で、病院行きを中止できたことに喜びながらも、思ったより重い過去を聞いてしまったわけで。
ふと、思い出したように電話をかけてみる。
「……あ、もしもし。天馬?今からって、会えたりしない?」
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Yuria(プロフ) - 美琴さん» わざわざありがとうございます!全然気づきませんでした…!直しておきます。これからもどうぞよろしくお願いします (2018年5月20日 3時) (レス) id: ef6245827b (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - こんばんは(*^^*) 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2018年5月16日 19時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 episode9のここの台詞 中でもでもダントツなのはリーダーの…」 これ正しくは中でもダントツではないんでしょうか? (2018年5月16日 14時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - 何度も続けてのコメントですみません(・_・;) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 episode8のここの台詞 よって、私は愛莉にも晴にと逆らわず、逆らえずな関係が成り立ってしまっている。 これ正しくは私は愛莉にも晴にもではないんでしょうか? (2018年5月16日 14時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - またまた続けてのコメントですみません。 episode7のここの台詞 「…間違ってる、なんて気づかないんだろうな」 これ正しくはなんでではないんでしょうか? (2018年5月16日 14時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yuria | 作成日時:2018年4月22日 0時