▼総統の総統(gr) ページ49
『女のくせに何様だ』
『本当に国を治められるのか?』
だいたいセットで言われ続けてきた言葉。
だが、それに挫けずなんとかここまで国を大きくしたのも事実だ。
「やっと……やっとだ。」
周りの国との関係も築き、国全体が落ち着いてきた頃……
悲しくも、とんでもない爆弾のような話が私の元に投下される。
・
・
・
「A総統!!!」
一人の部下が息を切らせながら部屋に飛び込んでくる。
「どうした?!」
そう聞けば顔を青ざめながらこう言った。
「わ、我々国からの宣戦布告です!!!」
「は」
………な…何故?
以前の外交の際にはとてもいい関係が築けそうだったというのに。貿易の方も軍事の方も決定は穏便に下したはず。
それが一体……なぜ急に……?!
「あちらからの要求は?土地か?貿易の条件か?」
しかし、部下は無言で首を振る。
「一体何だ?言ってみろ。」
「…た……です」
「え?」
「貴方……なんです…。
グルッペン総統からの要求。」
……何を、言ってる………?
「今から一時間以内に条件を飲まない限り攻め込むとの…こと。」
つまりは私があちらの国のものになればこの国は助かるとでも言うのか?
考えた。
幸い私の元には実力もあって信頼できる部下が何人かいる。だから私がいなくても大丈夫なはず。
私自身よりもこの国を守りたい。
そう思った故の答えだった。
「まず彼と直接話をしたい!相手国へ繋いーー」
「その必要はありませんよ、A総統。」
総統室の扉の向こう側から響く低音。
直後、ゆっくりと扉が開いた。
「……グルッペン総統。っ、どういう事だ?!なんの前触れもなく宣戦布告して、おまけに要求が私だと?可笑しいにも程がある」
可笑しい……、要求だけじゃない。
宣戦布告中だというのに1人で敵地の、しかも総統室になんの装備もせず直接赴くなど……
「突然の無礼をお許しください。しかし我々の……否、私の要求は決して変わることはない。」
そう言いながらこちらに近づいてくる
そんなグルッペン総統と、私の間に立ち塞がる部下。
「我らの総統を手渡すことなどできません!」
「……ほぅ、随分と従順な部下をお持ちなようだ。だが…」
刹那、緑色が天井から部下の元に落ちる。
(流石に1人じゃなかったか……!)
「がぁ、っは……」
「おいっ!何を……っ!」
「ンフフ、大丈夫やって。眠らせただけやから。」
フードの下の口が三日月を描いて笑っていた。
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角砂糖(兼:ただの炊飯器)(プロフ) - ランさん» 書けました!宜しければ読んだってくださいm(*_ _)mリクエスト本当に嬉しかったです♪ありがとうございました (2018年3月14日 16時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖(兼:ただの炊飯器)(プロフ) - ランさん» ありがとうございます!!もちろんです(*^^*)ぜひぜひ書かせていただきます (2018年3月14日 15時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - リクエストよろしいでしょうか?鬱先生のハッピーエンドのお話をお願いしたいです! (2018年3月14日 15時) (レス) id: e5666d0338 (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖(兼:ただの炊飯器)(プロフ) - 十弧さん» 良かったぁ!!!リクエスト本当に嬉しかったです_( _´ω`)_♪ぜひぜひこれからも来たって下さいね、いっぱい書きたいです!ありがとうございました (2018年3月14日 0時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
十弧(プロフ) - 角砂糖(兼:ただの炊飯器)さん» リクエストしにお邪魔させて頂くかも知れません…。これからも作者様のお書きになるお話を楽しみにしています。これからもご無理なさらず頑張って下さい! (2018年3月14日 0時) (レス) id: f05eea04c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:角砂糖 | 作成日時:2017年12月2日 19時