□行く宛のない ページ26
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「美味かったな〜!!」
『もうお腹入らない…』
2人でお腹を軽く叩きながら、外へ出る。
ルフィは50個近く、Aは15個ほどドーナツを食した。
まだ18時あたりだが10月に差し掛かった秋の日没は早い。
ライトアップされた駅前は楽しく妖しく雰囲気を纏っている。
代表例が大量に散らばる居酒屋だろう。
「A!ゲーセン行こーぜ!」
『えっ!?ちょ、ルフィ!?』
少し街中に入ったところにゲームセンターが。
バス停に向かう途中でルフィの視界に入ったのだ。
応答する間も無く、中に連れられる。
この時間帯のゲームセンターは型のいいお兄さんや奇しい老人だらけで恐怖を覚える。
だが、手首を掴んで前へ進めてくれるルフィの手から大丈夫だ。と言ってくれている気がしてだんだんと恐怖がほぐれていく。
本当に太陽みたいな男だ。
敵う人はいるのだろうか。
『あっ』
と、ひとつのUFOキャッチャーに目が食いつき足を止める。
引っ張っても進まない。
ルフィが振り返ると、目つきの悪い猫のぬいぐるみのストラップをケース越しに見つめるAがいた。
ルフィは口角を上げてひとつ告げた。
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「じゃ、乾杯」
ルシアがジョッキを前に差し出してくる。
ローはその場の雰囲気に呑まれ、つられてお猪口を前に出す。
カウンター席でグラスを合わせた。
ルシアはビールをローは日本酒をひと口飲み、グラスを置き、息をついて料理を待つ。
天井の照明が暖かい。
手にしたメニューを見つめたり、酔って大声で談笑する先客たち。
ローはそういうものを横目で見ながらもうひと口。
グラス音、皿がテーブルに置かれる音、箸が箸置きに置かれる音、そんな音が客たちのざわめきと混じり合う。
高級なレストランに行くよりよっぽど落ち着く。
「ロシー先生も呼べたらよかったんだけどね」
「あの人は忙しいからな、あと先生じゃねェだろ」
「そうだった」
うっかり。とルシアが笑う。
「そういえば私と再会した時、随分驚いてたけどロシー先生に聞かなかったの?」
「あァ」
「"ドジってる"わね〜」
お互い微笑む。
ロシナンテの話をするとローが和むのでわざとルシアは話をしていた。
ほどなくして料理が運ばれてきて、ローは早速枝豆に手をつける。
塩見が効いていて家でも作れる普通の味だが、なぜこうも
美味しく感じるのだろうか。
ありとあらゆるローの感覚が酒と雰囲気に呑まれて行った。
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はるさめ(プロフ) - あの、最初の6~7ページかが名前になってて設定した名前に変換されてません。そしてこの作品凄く面白いですね!まだまだ最初部分しか見れてませんが…頑張ってください!応援してます! (2023年3月1日 15時) (レス) @page7 id: 299e20c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - あんちょろさん» コメントありがとうございます!遅いですが夜勤頑張ってください!夜更新が多いので気長に待っていただければ…送別会は割と力入れるので楽しみにしていてください! (2022年10月22日 9時) (レス) id: f1de8a3da7 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - ききぽんぬさん» コメントありがとうございます!読んでいただいて光栄です!お気に入り登録もありがとうございます😭更新頑張ります! (2022年10月22日 9時) (レス) id: f1de8a3da7 (このIDを非表示/違反報告)
あんちょろ(プロフ) - 夜勤なうなのにもう送別会編が気になって眠れません(夜勤だから寝るな!) (2022年10月21日 23時) (レス) @page45 id: 67b3a9cf2e (このIDを非表示/違反報告)
ききぽんぬ(プロフ) - はじめまして、こんにちは!昨日、この作品と出会ってめちゃくちゃおもしろくてあっという間に全て読みました!続編が出来るということでとても嬉しく思います(*´﹀`*)嬉しいお知らせが届くのを楽しみにお気に入り登録させていただきました。これからも応援してます! (2022年10月21日 11時) (レス) @page43 id: 79ed02044f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おにぎり。 | 作成日時:2022年10月5日 21時