□イジメと対策 ページ10
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『なにこれ』
朝、学校へ来てAが呟く。
下駄箱を開けるとそこへ不審な紙が入っていた。
手紙に見え、開くと____
【ブスが爆豪くんと仲良くしてんじゃねーよ】
と書かれていた。
___いじめ？
「A、おはよ」
後ろから声をかけられる。
色々考える中で驚いて後ろを向いた。
そこには優奈がいた。
思わず安堵する。
『………おはよ』
バタンと下駄箱の扉を閉めた。
優奈に隠すように紙をカバンの中にしまう。
「……？遅れるよ？」
『うっ、うん』
どうやらバレなかったらしい。
その日、体育の授業があったのだが体操着がなかった。
体育から帰ってきたら、数学の教科書が消えていた。
お気に入りのペン、ノート、そして机にシャーペンで悪口を書かれていた。
内容はやはり、
【爆豪くんと仲良くすんな、死ねよブス】
といった爆豪関連だった。
「___ンパイ、______センパイ？」
『えっ！？』
「何俺の指示なく手ェ止めてんすか」
悶々と考え込んでいる内に放課後になっていた。
おまけに無意識に爆豪と勉強をしている。
Aは二重の意味でため息を漏らした。
「……なんかあったんすか」
『えっ、…いやぁ、別に？』
Aは再び爆豪に言われた通り、数Bの問題を解き始める。
分からなくて手を止めたわけではない。爆豪もわかっているようだった。
この男勘付くのが早すぎるのだ。
この男の前では多分隠し事はできない。
「………センパイ？」
爆豪がAの右手を自身の右手で止めた。
Aはもうダメだなぁと家から新しく新調したシャーペンを置いた。
「で？何があったんですか？」
『はいはい、話しますよ』
Aは爆豪に起きたことを話した。
「いやがらせ」
『なのかなぁ』
「いやれっきとしたいやがらせだろ………デス、……でも気味がワリーことが一個ある」
『………？』
爆豪が机に寝そべり、語り始めた。
「……だって、机に落書きってフツーペンだろ？」
『え……そなの？漫画の読みすぎじゃん？』
「シャーペンで落書きするとかなかなかしないだろ……デス」
『……うーん…』
「つーことはホントはそんなに虐める気がないんすよ」
爆豪がそういうと、立ち上がり、
「だからいいですかセンパーイ？」
爆豪がAの唇にギリギリ触れるか触れまいかの距離まで人差し指を運んできた。
いちいちあざとい。
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作者名：おにぎり同好会委員長。
| 作成日時：2021年12月27日 17時
