□爆豪side ページ6
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「爆豪、なんか機嫌いいな」
「あ？」
僅かながら微笑みを残していた爆豪に切島が声をかける。
こういう時の爆豪は話しやすく、絡みやすい。ので、上鳴、瀬呂も切島に続いてやってくる。
「なになに爆豪、彼女？」
「人のプライバシー深掘りしてくんじゃねぇカス」
「俺らトモダチ！！？」
爆豪のボロが出てしまっていた。
普段猫かぶりの彼は同じクラスの者などにしか本性を出さない。
アイツと出会ったのは入学してすぐのこと。
やることが無く、たまたま図書室へやって来たらガランとしていて完全に俺の独壇場だと思った。
が、
本棚の裏に隠れていた、実際は本を棚に戻していたセンパイを見かけた。
誰も来ないのにご苦労なこった。
そん時はそう思ってしばらく観察してると1番上の段まで届かないらしく必死に飛んでる姿がアホらしかった。
アホだろ。
なんて思いながらも俺はその時席を立って本を奪い取り、本棚に戻してやった。
一瞬驚いていたが、すぐにお礼を言ってきた。
そのあとちょっと背の高さを馬鹿にしてやると、酷く面白い反応をしてきた。
______ふーん。
いじりがいがある。
新しいオモチャだ。
それからなにかと図書室に行くようになった。
自分でもだんだん惹かれていることに気が付かなかったが一度自覚さえしてしまえばあとは随分呆気ない。
それが一方通行だろうとも。
「爆豪ー！！」
「あ？チンケな用事だったら…」
「お前に用があるって女の子が来てるぞ」
爆豪が教室の隅にいる女子を見つけ、すぐさま猫かぶりモードになる。
A組のものはみんな「出たよ」と言わんばかりの表情をする。
「何か？」
笑顔で受け応える爆豪だが、内心はめんどくせぇだった。
学校内ではA組のものだけが彼の本性を知っていた。
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作者名：おにぎり同好会委員長。
| 作成日時：2021年12月27日 17時
