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□第2章 ページ49
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4月下旬。
誰もが憂鬱と期待で迎えた始業式を終えて早3週間程度。
すでに新学期が始まり、Aの学校での過ごせる時間も短くなっていた。
出会いなんてものはろくにないもの。
そんな筈だった。
「っ、ごめんなさい！」
いわゆる典型的な曲がり角での出会い。
1人の女子生徒と男子生徒がぶつかる。
女子生徒のほうは移動教室だったらしく、荷物である教科書やペンケースが軽く音を立てて落下した。
「いえ、こちらも不注意で」
しゃがんで教科書を一冊一冊丁寧に拾い上げる。
女子生徒の友人が心配で駆けつけるも、2人揃って男子生徒に見惚れる。
スラッとした長い手足。
毎日アイロンがけでもしているかのような制服のシワの無さ。
黒髪の正統派メガネイケメンそのものだった。
「では」
そして決め手の清楚な王子様スマイル。
女子生徒2人は立ち上がった王子に心を撃ち抜かれ、初恋のトキメキのように心奪われる。
しばらくぽーっと見つめていた2人だが、我に帰り、歩き出し興奮を抑えきれず早口で喋り出した。
「ね！今のアレじゃない！最近特進科に転校してきたって言う！」
「だよね！思った！！」
「名前は確か_____」
「「
窓から風が入り込んだ。
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作者名：おにぎり同好会委員長。
| 作成日時：2021年12月27日 17時
