□パーティ ページ18
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当日となると、大勢の人が更衣室に集まっていた。
それぞれが華やかなドレスを見に纏い、係の人に髪を結ってもらっている。
結ってもらうには当然時間がいる。
待っている人は大勢でその間、友人と話をしている者が大半を占める。
その中、ある1人の少女が再確認する。
_____うん。私ぼっちだわ。
友人にバイトの予定が入り、ぼっちと化したA。
まだ制服の彼女は余計に目立っていた。
と、
「あっ、八神せんぱーい」
甘ったるい声から自分の名前が聞こえて思わずビクゥッ！となる。
振り向くと、
『さ、佐久良さん』
「えへへ〜…あれ？お友達の方は？」
『あ、…予定入って来られないって…』
「そうなんですかぁ、ちょっとショック」
優奈とは赤の他人の己遥が呟いた。
『わっ、私ドレス着替えないと…』
「あ、なら私も今友達が髪やってもらってるんで行ってもいいですか？」
『う、うん…』
媚びにハートがつきそうなくらい、やったぁと己遥が言う。
係の人に事前に持たされたプラスチックの番号が書かれたものを渡す。
これがドレスと引き換えになるのである。
しばらくして係の人が戻ってくる……が、手には何も持っていなかった。
「トラブル？かなぁ」
己遥も異変に気がつき呟く。
「すみません、ドレスの特徴は覚えていますでしょうか？」
『え、えーと、確か…』
「水色のドレスで肩が出るものでした、あ、でも袖はついているもので……」
なかなか思い出せないAに代わって、何故か己遥がドレスについて詳しく話す。
Aもそう言えばそういう感じのだったなと思い出す。
「……でしたよね？先輩」
『えっ、うん！』
「失礼致しました、ありがとうございます」
係の人が再び探しに戻った。
そこでAは疑問に思った点を己遥に話した。
『よく私のドレス覚えてたね？』
「素敵でしたから」
にっこりとごく自然に応えた。
それでもAの背筋は一瞬ゾワッとなる。
そこに再びAは疑問を抱えた。
「すみません、お客様、ドレスが見当たらなく……」
『えっ、？』
「えっ、でもぉ、朝生徒会で確認した時は全部ありましたよ？」
役員の己遥が話す。
「あっ、そうだ、確かタキシード……」
「1着余るんですよ」
Aを凝視して口もとに憐れむような悪い笑みを己遥が浮かべた。
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作者名：おにぎり同好会委員長。
| 作成日時：2021年12月27日 17時
