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朝、下駄箱を開けると、やはりあの紙が入っていた。
ノートの切れ端で書いた雑な手紙。
これも、そうなのか。
Aは無言で内履を取って、手紙を玄関から1番近いゴミ箱に捨てた。
しっかり爆豪に言われた通りAはやり過ごした。
爆豪曰く、
私をホントに虐めたいわけじゃない人間がやってる可能性が高い。らしい。
なので無視し続ければ回数が減っていく。と言われた。
用はアンチには塩対応or無反応だ。
体操着がないなら借りに行け。と、教科書がなくなったなら図書室で借りろ。と、ペンがなくなったなら家にあるものを持って来い。と。
そんなことを続けること1週間。
_____あ。
ついに下駄箱には手紙が届かなくなった。
日を重ねるごとに、机の落書きもなくなった。
ペンもいつの間にか机の上に帰ってきていた。
___本当に爆豪くんの言う通りになってる……。
「なくなった。と」
『うん！！爆豪くん凄いわ！！』
「…このくらいは」
放課後、委員会の仕事があるときは爆豪とこうやって報告会を図書室で行っていた。
それでも、なくならないことが一つあった。
『体操着だけは、やっぱ見つからないんだよね……』
「……じゃあ、センパイに問題」
『……へ？』
突然問題を出されるらしい。
誰だっていきなり問題を出されれば慌てる。
Aがその状況だった。
「体操着が返ってこないのはなんででしょーか」
『……え、…えー…？』
漫画の読みすぎで捨てられていたりしてると思いゴミ捨て場に見に行ったが、なかった。
『え、捨てられた？』
「はい、バカ」
おでこにデコピンを喰らう。
『いだっ！？』
「センパイを本気で虐めてる人たちがやってるってことっす」
『…え、あー、あー？』
一瞬納得したような声を出して、すぐに疑問形に戻した。
「ソイツらが体操着持ってるってことっしょ……デス」
『…でも、それもさ、私が無視続ければおさまるかな？』
爆豪は一瞬、不意をつかれたような間抜け顔をしたが、すぐにいつもの悪戯顔に戻して、
「どーですかねぇ？つかフツーは見つけて取っちめたいだろ」
『いやでも、その…あんまり大事にしたくないんだよね…』
「………じゃあ、そのまま続けたらいいんじゃないんすか」
『……うん！！！』
爆豪とそう約束した次の日、神隠しにあった人が帰ってくるように、机の上に体操着が置いてあった。
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作者名：おにぎり同好会委員長。
| 作成日時：2021年12月27日 17時
