爆豪勝己の偽彼女【爆豪勝己】 (ページ40)

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「あ、A、ネックレスつけてるね」

『え、？あ〜……』

肌身離さずつけとけなんて言われたらつけておくしかない。

「でさ〜」
「マジで？」
「あ、駅前に新しいカフェで来たじゃん？」

「うわ」

『うわぁ…』

校門の前に屯っているのは運動部の生徒たち。

いわゆるイチグンの人である。

あまり関わりたくない人間である。

___さっさと帰ろう。

百合とAがそそくさと校門の横を通り過ぎようとした時、

「あ、プリントちゃん」

独特のイケボで話す、爽やか王子___

『や…柳､､透目さん…』

正直、彼、苦手なタイプである。

「呼び捨てでいいよ〜、同級生やし」

薄いベージュのカーディガンを羽織った彼はたくさんの女子に男子に囲まれていた。

___嫌いだ…

だが、しかし呼び止められたからには何かしら反応を起こさなければならない。

『柳くん…何か用ですか？』

「用ってほどじゃないんだけど…」

スクールバッグを漁る。

周りの女子からの視線を感じる。

「誰だコイツ」という目。

爆豪との一件があった時と同じである。

王子に関わるとろくなことが起きない。

___私なんかがこんなことになってて悪かったわね！

と一応謝る。

好きでこんなことになってるわけではない。むしろ関わりたくもない。

「はいこれ」

渡されたのはピンクのクリップ。

『え、あの…』

「まとめとけば、プリント落としても大丈夫でしょ？」

『え、あー…』

どうやら良い人ぽい。

百合が「ほぅ」と言いたげな顔でその様子をまじまじと見つめる。

「プリントちゃんってさ、本名なんて言うん？」

『え、…と…羽林……』

軽々と名前を言おうとした時、プルルルル…Aの独特のスマホの着信音が鳴った。