爆豪勝己の偽彼女【爆豪勝己】 (ページ39)

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「君が羽林Aさん？」

『あ、はい、そうですけど…』

先輩か後輩かも分からない以上、取り敢えず敬語で話した。

「これ、落としてたよ」

彼が差し出したのは羽林Aと書かれたプリント。

数Bで使っているものだ。

___落としてたのか…

『ども…』

辿々しく、受け取る。

「プリント数十枚落とすとか、なんで気づかないの？」

笑いながら彼は話す。

どう見ても、バカにしているようだった。

女子達が見守る。

一部からは睨まれている気がした。

『ありがとうございました』

爆豪にいじられ慣れているAにとってはなんてことなかった。

「もう、落とさないでね、プリントちゃん」

__プリントちゃん……？

Aの頭をポンと優しく叩く。

爆豪とは大違いだ。

女子達が嬉しいながら、悲しい悲鳴をあげる。

_____………え？

茶髪の爽やか好青年はどこかへと去って行った。

「「「A！！！」」」

女子からの質問の渋滞。

「爽やか王子とどういう関係！？」

「知り合い！？」

『いや、初めて会ったけど…てか誰？』

Aの言葉にクラスがシーンと一瞬で静かになった。

食堂に向かいながら百合が説明をする。

「ギャップ王子、緑谷出久。白馬の王子、轟焦凍。腹黒王子、爆豪勝己。そして最近、隣の普通科に引っ越して来た爽やか王子こと、柳透目(やなぎとうま)」

物知りだなぁ……

『あの人が爽やか王子？』

「まぁ、あの見た目とか性格上、すぐ人気になったよね、Aは興味ないから知らないだろうけど」

『へー』

興味がない。

なさすぎる。

どうでもいいと曖昧な返事をした。

「ねぇねぇ、とうまっち〜！今日遊びに行こうよ〜」

そんな爽やか王子に一方的に腕組みをしてくっつく女子生徒。

「ん〜………」

「行こうよぉ〜」

「ちょっと面白い子と会ったからなぁ…パス」

「え〜」

「だって普通プリント数十枚も落としたら気づくっしょ？」

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