爆豪勝己の偽彼女【爆豪勝己】 (ページ38)

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□爽やか王子ページ38

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『え、爆豪くんインターン続き？』

「ん」

爆豪が来週いっぱいまでインターン続きらしい。

『大変だね』

「んだよ、俺に会えねぇのが寂しいのかよ？」

『いや別に』

ニマニマした顔で言う爆豪だったが、Aの返答で顔をむすっとさせた。

『じゃ』

学校で待ち合わせをして、Aの寮まで一緒に帰るのがいつものこと。

寮の入り口までしっかり送ってくれる。

「電話でろよ」

爆豪のぶっきらぼうな言い方が耳を通る。

『うん…』

数秒経って意味がわかり、返事を返した。

爆豪の顔は夕陽に染まって赤くなっていた。

「A〜置いてくぞー」

『ちょい待ち！あと一文！』

数学Bの授業は移動教室のため、多目的教室にやって来ていた。

授業終了のチャイムが鳴り、クラスメイト達が次々に立ち上がり、普通教室に帰っていく。

『終わったあああ！』

「次も移動だから急げ！」

的確な正論を述べつつも、百合は待ってくれていた。

出遅れたAたちは急いで教室を出る。

階段を降りる。

廊下を走る。

A達が通り過ぎた廊下には羽林Aと書かれたプリントが数十枚落ちていた。

しかし、必死に走る2人には気がつけなかった。

「…………」

それを誰が拾おうとも。

『ゆっり〜食堂行こーうー』

昼休憩になった。

普段なら爆豪とお昼なのだが、インターンで不在。

久しぶりの百合との食事である。

___と、

「「「きゃあ！！」」」

クラスメイトの女子達が黄色い声をあげた。

出入り口にはたくさんの人。

___誰かきたのか？

「ちょ、A！！爽やか王子がAに会いに来てるって！」

『………爽やか王子？』

誰のことだか、検討もつかない。

Aの知っている王子といえば別の異名がある。

「あ、君が羽林Aさん？」

クラスメイトに押されるがまま、出入り口に向かう。

そこには、茶髪のイケメン好青年がいた。

女子達がキャーキャー騒ぐ中、

___誰？

Aは困惑していた。