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『2人です！』
「2名様でーす！」
さわやかな笑顔を浮かべている男性スタッフ。
Aたちを案内する。
爆豪が先に乗り、Aが次に乗った。
『わっ』
思ったより揺れて、声が漏れた。
__観覧車ってこんな揺れたっけ？
そんなAを見て、爆豪がバカにするように笑む。
ドアを閉められ、
「いってらっしゃーい！」
と言われる。
「で？続きはなんだよ」
『あ…えーと…』
3秒も経たないうちに爆豪は口を開く。
どうやらずっと気になっていたらしかった。
『…色々関わって来て、私がなんでも言いふらす人間に見えないってちっとも思ってくれていないのかなぁ…って…』
「あ？んなモン最初っから言いふらさねぇやつだって思っとるわ」
____マジですか。
思わず顔が赤くなった。
そんな風に思ってくれていたのか。
___なんかなぁ…なんか……ずるいなぁ……
『あ、あとさ、…誰でもいいわけないってそういう意味でいいんだよね？』
「……………そう言ってんだろうが」
成り行きで思わず聞いた。
この空気ならば聞けると確信した。
『そ、…そっかぁ……』
照れて仕方がない。
心臓がドキドキ高なって仕方がない。
「あと、」
『へ？』
「別に俺はテメェのこと好きじゃねぇからな」
『……なぜ、…そんな分かりきったことを…？』
好きじゃないのは当たり前でしょう。
だって、「偽」だもの。
「……聞かなかったことにしろや」
爆豪は横を向いて外を見る。
けれども耳は赤くて、照れているのが伝わった。
「ただ」
『ただ？』
「あん時俺が仮免、その場に持ってようと、テメェを女避けに使ってたからな！クソが！」
そう言うと細長い箱をAにぶん投げた。
『…なに……こ……れ』
箱の中身を見て言葉が止まる。
箱の中身はネックレス。
飾りが付いていてとても可愛い。
それに、
『好み…ドンピシャ…』
「クソ女に聞いた、テメェ誕生日なんだろうが」
クソ女…とは恐らく百合のことだろう。
__百合にわざわざ聞いたんだ。私の好み。
そこまで…してくれるなんて……
『マジか』
思わず涙を流した。
こんな風に誕生日を祝われるなんて思ってもなかったし、初めてかもしれない。
「あ！？なに泣いとんだ！？まさか好みじゃなかったとか…」
『それはない』
キッパリと否定した。
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年9月5日 12時
