爆豪勝己の偽彼女【爆豪勝己】 (ページ12)

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□LINE ページ12

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『ってカンジナンデスケド……』

「……ん〜ビミョー次！」

王子とのデートが突然決まった今、試着しているのは白いミニスカートと、黒のブラウス。

もしかしたら洒落た店に連れて行かれるかもしれない。

恥をかかないようにお洒落な服を親友の白河百合(しらかわゆり)から借りようとしていた。

呆れた顔で百合は答える。王子に興味がないのだ。

「ロリータ似合わない」

『じゃあ良さげなの選んで』

「はいよ」

小学校から親友の百合は名前の通り、超絶美人。

立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花とはこのことだろうか。

しかし彼女、相当なアニヲタでこの次元の男には興味が一切なかった。

とはいえ女子力も高く、センスも良い。

こういう子を彼女にした方が良かったんじゃないかとAはふと思った。

「王子ね〜、まぁ、三次元の割には良い線いってるよね」

散らばされた服を探りながら、百合は話す。

『性格クソだよ…』

「それは知ってる、有名」

腹黒王子と呼ばれてる理由を再確認したAは呆れ顔で言った。

『オイとかクソとか殺すとかしか言わないし、私の名前一切呼ばないし、これホントにカレカノ？ってレベル』

止まらないAを百合はそっと大人びた顔で見た。

しかしそこで踏みとどまった。
親友なので全部話しても良いかと思いかけたが、バラしたら殺されるのを思い出して、やめた。

「なんか、惚気られてるな〜私」

『いやいや…惚気てないって…』

付き合ってないから。とAは心の中で付け足した。

『百合は？彼氏いないの？』

「うん、てかそんなことより、推しのハヤトくんがさ…」

話題は百合の推しへと移り変わった。百合は涼しげに笑って、Aに服を渡した。

夕食。

今日の献立は麻婆丼。

『ブッホォっ』

私はそんな中思わず飲もうとした水をコップの中に撒き散らせた。

「うわっ、どした」

親友の百合含めたクラスメイトが心配そうに見てくる。

私が吹き出した理由は、

［爆豪勝己行き先…］その他。

「どうした？」

思わず、画面を隠した。

百合はめざとく聞いてくる。

『ちょ、ちょっと、電話してくる！』

Aはそそくさっと立ってその場を逃げるように退散した。

「ほぅ？あれは……王子かな？」

百合が何かを察したかのように呟くと他の女子が

「「「王子！？」」」

と叫んだ。

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