□誘い ページ11
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『さっきはありがとうございました』
「いい迷惑だわ」
『す、、すみません』
あまりにもトゲトゲしい言い方でついAは謝りかけていた。
ここは先程と同じ特別塔。
やはり誰もいないような様子が漂っていた。
「まぁ、でも良いアピールになった」
かと思いきや、王子はドヤ顔で俺様笑顔。
____悪魔みたい。
Aはそう思わざるを得なかった。
『ならいいんですけど…』
Aがそう言うと、彼は何故か不審げな表情を浮かべた。
___それが彼女に向ける表情か！？偽だけど…
どんどん空気がおかしくなっていく。
やってられない……いっそ殺してくれとさえAは思った。
しかしそんな空気を裂いたのは、
「オイ」
『！……はいっ！？』
王子だった。
内心驚き過ぎて爆発しそうである。
「週末、日曜空けとけ」
『……へっ！？』
もはやAに選択肢はない。
爆豪は軽く頷き、
「デートすんぞ」
と言った。
………………へ？
Aは頭が真っ白になった。
「いいか、空けとけ、空けなかったら俺がお前を殺す……」
________。
爆豪の殺害予告に慌てて意識を晴れ上がらせる。
『あ、はい…』
じっと見つめられ、ぼんやりとしていた心地で応えた。
「行き先は連絡する、首洗って待っとけや」
そう言って彼は教室へと帰って行ってしまった。
Aはその姿を呆然と見つめる。
___腹黒王子にデートに誘われた。
え、
ええええええええええええええ！？！？！？
2度目のビックバンである。
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年9月5日 12時
