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『これからどっか行くの？』
クラスの面白キャラとして通っている佐藤ちゃんでさえ、王子には目がなかった。
「コンビニ、なんかいる？」
『え、じゃあアイス食べたい』
彼女は優しいし、親切だ。
だが、親切にも度がすぎることもある。
「王子さぁ…丸くなったよね」
『へっ？』
「この前、寮に来た時、私が出迎えたんだけどさ、なんか少し愛想が良くなったというか…もちろん、Aと話してる時ほど楽しそうじゃないけどさ」
………_____？
引っかかった。
『えっ、ちょっと待って、楽しそう？私といる時？爆豪くんが？』
「え、うん、てかどう見ても王子機嫌いいよね、Aといる時」
____そんなバカな。
完全にAは虚を突かれていた。
「あの目は好きな子見る時の目だよねぇ、ホントに付き合ってんだって再確認するもん」
言われてみればそんな眼差しで見られた気が_____
__いや、ナイナイ。
それはない。
爆豪…腹黒王子に限ってそれはない。
「私はあの近寄りがたい感じが好きだけど、Aにはデレてるよねぇ」
そう言うと、「じゃっ！」と付け足して、佐藤ちゃんはコンビニ向かって歩いて行った。
____いや、ないよね？
だって偽だし。
両手で頬を抑える。
熱い。
Aは心臓を高鳴らせながらも、
____いやいや。加速が怖く、止まる。
たった1人の人に言われただけで、度がすぎた考えをするのは良くない。
____ないない。
結論は【ない】だった。
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年10月23日 11時
