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「いや〜、水族館とか結構久しぶりやなあ」
『この前行かなかったっけ？』
「爆豪くんに会ったから、ノーカン」
あの後、そのまま運動部3人組集に百合は連れ去られ、透目と同じ班の者たちはペンギンショーを見に行ってしまった。
2人きり。
気まずいもあるが、
___私もペンギンショー見たかった…
ペンギンショーのほうが想いが強かった。
調べたところ次の講演は1時間後。
残念だが次の場所に移動するため、その頃には水族館にはいない。
「百合ちゃんとは話せたん？」
____ぎくっ。
透目が本当に聞こうとしていたことを聞きはじめる。
「その感じだと話せてないね？」
『っ…うん…お恥ずかしながら…』
「…そうか〜、あんなAちゃん」
『うん？』
いきなり真剣な眼差しになる。
「百合ちゃんは爆豪くんのこと好きやと思う」
『………』
何も言えず、黙ったまま話を聞く。
正直、驚愕はしていなかった。
本人に確認していないがそうだとAも薄々勘づいていた。
「好きな子のことで友情関係壊したくないやろ？」
『…………そう…だけど……』
_____ごもっともだ。
ごもっともなんだよ。ごもっともなんだけど、
私が気にしていたこと第一位だ。
『どっちも、とったらいけないのかな』
「……………どっちもとれたら人生難しくないね」
『…………私、2人とも大事だよ』
「だからさAちゃん。」
『…？』
「俺と付き合うって言う話もっかい考えといてくれへん？」
______え。
『……ごめん、透目くんそれは______』
「なら百合ちゃんを裏切るん？」
『………ッ…』
_____そんなこと出来るわけないじゃないか。
「返事決まったら教えてな」
『……あっ、……』
透目はそう言うとペンギンショーに行っていた班の者たちと合流した。
そこには百合たちもいた。
たまたまその場にいたのか、それとも透目が居合わせるようにしたのか、よく、
分からなかった。
「話って？」
「Aちゃんと爆豪くんのことなんやけど______」
歯車が動き出そうとしていた。
悪い向きに。
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年10月23日 11時
