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「〜〜〜〜っ！！テメーに恋愛感情持ってるつってんだよ！文句あっか！」
聞き間違いようもなく、はっきり言われた。
抱きしめられている感触も熱も、音も感じられない。
全身に血が張り巡る。
心臓が跳ねる。
『……それ、本当？…』
内心慌てながらも冷静に返した。
「俺ァ、嘘は言わねぇ」
『え、好きってこと………だよね？』
「二度言わせんな」
真剣な眼差し。
俺様な態度。
これが爆豪勝己だ。
『マジか』
本当なんだ。
本当に私のことを好きなんだ。
告白されたんだ。
言葉を理解する。
これまで、誰かにこんなことを言われても今のような感覚にはならなかった。
もちろん、この前フラれた彼氏にも。
なんとなく、分かっている。
自分の気持ちがなんなのかはしっかりと分かっている。
これが恋なんだと。
夕陽が落ちていく。
カーテンの間をすり抜け、光が入る。
その光はちょうど2人を照らしていた。
演出かよ、と思えるくらい。
『わ、私も、爆豪くんのこと…好き、…だよ』
「………そうかよ」
ふいに見上げると、彼と目があった。
耳まで赤い。
夕陽のせいか、彼自身のせいか。
見ていれば分かる、
_____喜んでくれている。
と。
祭の後の盛り上がったテンション。
成り行きなのかもしれない。
それでもそこに、お互いの感情は一致していた。
純粋な熱さ。幸福感が広がる。
深い面持ちでお互いを見つめる。
愛おしむ、ように。
どうすべきか分かった後、Aは音も無く、瞼を閉じた。
唇が触れ合う。
優しい。
その時だけは彼も優しく、逆に不安になるが、どうでことはない。
触れるだけの優しい優しい、キスをした。
彼女は今、本物の彼女になったのだ。
教室の入り口ドアに向かう光に影ができる。
人型の。
「………………」
一部始終しか見ていないが、今の光景を見てしまえば、もう分かる。
2人は両思いになったのだと。
いや、もとからそうであったと確信した。
彼女はそう思ったに違いない。
息切れをする彼女。
走って、2人を探しに来たのだろうか。
______っ…！
言葉が生み出されない。
心臓が冷たくなっていく。
彼女も_______百合もまた気付いたのだろう。
爆豪に抱いていた感情の正体、
これが、「恋」だと。
季節が移り変わり、修学旅行が始まろうとしていた。
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年10月23日 11時
