□訪問 ページ26
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あくる土曜の昼間。
ローはAの家の前で車を止めた。
一度家の前まで来たことはあるが暗いこともあり、まじまじと見たことはなかった。
老舗旅館の大女将の孫娘と少し前にカミングアウトされ、どんなものかと少し緊張して来たが、これといって特徴のないごく普通の一軒家だった。
ローが鉄柵に触れ、インターホンに指を伸ばした時、入口のドアが開く。
『あっ、先生！』
やっぱり、という声色で笑顔で迎えられる。
どうやら車の音を聞きつけて来たらしい。
ベージュチェックのワンピース。
この前訪問した来た時と違ってそこまで着飾っていない。
ローもトレードマークの帽子を今日はかぶっていなかった。
『あ、車は…』
指さしたのは家の横のカーポート。
「分かった」
ローは再び車に乗り込んで、駐車を始めた。
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家の中は優しく、甘い香りがした。
廊下を歩き、リビングに案内されるとさらに香りが強くなる。
明暗のブラウンで統一されたアンティークな内装。
暖房から吐き出される温風の音がごうごうと室内に響き、ダイニングテーブルの上には皿に盛られたクッキーがあり、焼き立てなのか湯気が出ていた。
『あ、クッキー焼いたんです』
Aがよかったら、という控えめな笑みを浮かべた。
甘いものがそんなに好きではなさそうという勝手な偏見からの控えめさだろう。
「ああ、食う」
瞬間、Aの表情が、ぱん、とはじける。
心から嬉しい時反射的に出る類の笑みを浮かべた。
予想外のことにめっぽう弱い24歳養護教諭。
不意打ちを喰らっていた。
『お、おばあちゃん呼んできますね！』
椅子に座り、1人慣れない部屋に残されていた。
落ち着かず、反射的に目の前にあったクッキーに手を伸ばし、心の中でいただきますと言って、食べた。
焼きたてのチョコチップクッキーは、多少溶けたチョコが旨さを引き出していて、
____ほんとコイツ料理が上手いんだな。
何度目かの関心をする。
クッキーのサクサクと拡散していく甘さにあと引けず、もう一枚。もう一枚。
下手したら全て食べられそうだ。
「美味いじゃろ」
「ああ」
ローはAではない声に無意識に返事を返した。
もう一枚、と手を伸ばした時、正面に知らない老婆が茶を啜って座っているのに気がつく。
認識し、理解しようとする間も無く、
「A屋ああああああ！」
ローが頓狂な様子で絶叫した。
その叫び声は家中に響き渡った。
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sahokokapi(プロフ) - ロー先生、カッコ良すぎる！！続きが楽しみになってきた(*≧∀≦*) (5月18日 23時) (
レス) @page14 id: 95ad17c84b (このIDを非表示/違反報告)
popo(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしています (2023年1月24日 17時) (レス) @page50 id: b53f6e36c7 (このIDを非表示/違反報告)
kanata(プロフ) - おにぎりさん» 更新読みました！あわ、あわわ、黒髪パーマ､､､､､黒髪パーマ！？青い目！？( ` ༥ ´⸝⸝⸝))ﾑﾑﾑ、誰だ！？ (2022年12月26日 17時) (レス) @page50 id: c25e02bac7 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 一目惚れ読みです。（？）主様の書かれるロー先生がガチ好き過ぎます。え、あ、かわい。って。あと、ローとドフィのやりとりまじ面白いです。次も楽しみにしてます。 (2022年12月25日 14時) (レス) @page50 id: 9974b64967 (このIDを非表示/違反報告)
kanata(プロフ) - おにぎりさん» いえいえ！お疲れ様です、誤解解けて良かったです、闘病？も(๑ •̀ω•́)۶ﾌｧｲﾄﾃﾞｽ!! (2022年12月10日 12時) (レス) id: c25e02bac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2022年10月25日 21時
