優しさに包まれて (ページ6)

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"『昨日はごめんなさい。
ちゃんと寝ましたか？

行ってくるね』"

僕も早く起きたのに、Aさんはそれより早くに起きて、家を出たみたいだ。

謝りたいのは、僕の方なのに…

「ユンギ、今度いつ休みだっけ」

『あ？1日空いてる日は知らん』

「だよな…」

コンサートを控え、休みなんてあるはずなくて、早く会いたいAさんの帰りを待つしかできないようだった。でも帰ってくるということは、そういうことなのかもしれない。

『元気ないですねヒョン』

僕の空っぽなため息を見逃せないうちのグループのリーダー。

「ナムジュンはなんでそんなに大人なんだよ」

『僕がですか？何言ってるんですかヒョン。いつまで経っても大人になんてなれませんよ。どんな時でも、落ち着いて平常心で。そう言い聞かせてるだけです』

肩を叩いて口角を上げて笑ってみせてくる謙虚な弟に、Aさんの柔らかな笑顔が重なる。

Aさんも本当はそうだったりするのかな…

"「おじいさんの様子はどう？」"

"『なんか元気だった
ホッとした。

明日退院して、あとは家で過ごすんだって』"

文面からは伺えないAさんの本当の感情を考える。寝ながら泣いていたAさんの姿が浮かんで、また胸が苦しくなった。

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