[テニプリ] 氷帝にやって来たのは？ １５ 〜努力家少女〜

６７４．過去〜予選〜　３ ページ6

美姫)緊張してきた……

胸に手を当てて余裕のない表情でテニスコートを見る美姫。
もうすぐ、美姫の試合の時間なのだ。

緋香里)大丈夫よ。ほら、深呼吸して落ち着いて

あとから来た緋香里が美姫の背をさすって落ち着かせながら声をかける。
美姫はその声に従って肩を上下させながら大きく深呼吸をした。

リョーマ)美姫姉、頑張って

美姫の試合を早く見たいらしく、緊張している美姫よりもそわそわとするリョーマ。
そんなリョーマを見ていれば、美姫の緊張はゆっくりと解けていった。

美姫)あ……リョーマ見てたらなんか落ち着いてきた

倫子)あら？本当。表情も明るくなったわね

美姫)うん。心臓がばくばく言わなくなってきた

もう完全に緊張は収まったようで笑顔を見せた。
その美姫の様子に緋香里、倫子、南次郎は安心したように肩を撫で下ろした。

先程までの美姫の様子で試合に出ていれば、美姫はテンパってしまい、自分自身の実力の半分も出せずに負けてしまっている可能性が高かった。
しかし、リョーマのお蔭でそんな可能性は無くなった。

南次郎)リョーマ、お手柄だな

わしゃわしゃと乱暴にリョーマの頭を撫でた。

リョーマ)？

突然の褒めの言葉にリョーマは首を傾げる。
何故、自分が褒められたのか分からないようだ。

アナウンス)選手番号８９番と４２番の方。もうすぐ第７コートで試合を始めます

会場にアナウンスの声が響き渡る。
美姫は自分の持っていた番号の紙を見た。

美姫)８９番だ！

南次郎)お！いよいよか

緋香里)応援してるからね

立ち上がった美姫に優しげな笑みを浮かべて言った緋香里を見て、美姫は笑うとラケットを持って指定されたコートに走って向かった。

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