[テニプリ] 氷帝にやって来たのは？ １５ 〜努力家少女〜

７１５．大人しく聞こう？ ページ47

全員)…………

全員の白けた目が侑士に向く。
そんな視線を受けた侑士はまるで極寒のブリザードの中に放り込まれたような感覚に落ちいり、身震いをした。

侑士)そ、そないな目で見んといて？ホンマ、体が震えてくるから！！

すると息を合わせたかのように彼等の視線が侑士から逸れた。
それはもう見事に。

芥川)忍足はどうでもいいから、早く美姫ちゃんの話聞かせて？

”どうでもいい”の所を強調して美姫の腕に絡みつきながら芥川は言い放つ。

侑士)え。視線がなくなったんは良かったんやけど、ジローのその言葉結構グサッときたわ

胸を押さえて呻く。
もちろんワザとだ。

それがよく分かっているのか誰一人として相手にしようとはしない。
いい加減、美姫の話に標準を戻したいのだ。

侑士)…………

鳳)美姫先輩！

急かすように美姫の腕を振る鳳に美姫は笑うと口を開いた。

美姫)じゃあ、大会はもう色々と詳しく説明するのもめんどくさいしかなり飛ばした所から話は再開するね

侑士)ちょっとだけでもええから誰か反応してくれちゃったりしてくれへんのかな〜

美姫)まぁ、一応あたしはどんどん大会を勝ち進んでいくのよ。因みにお父さんは病院ね

侑士)美姫ちゃ〜ん

美姫)……それで決勝に進出するんだけど

侑士)み――

もう一度彼女の名前を呼ぼうとした侑士の肩を誰かが優しく叩いた。

桑原)もう止めとけ。大人しく聞こう。な？

桑原だ。

侑士)自分、ホンマ優しいやっちゃなぁ……めっちゃ感動したわ

うるっとした目で桑原を見た。
その間も構わず美姫は話を続ける。

美姫)――決勝戦の相手、誰だか分かるよね？忘れた人のために一応、キリス・ヴァレンシアね

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